心を育てる フィードバックの大切さ

こんにちは、千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。前回は、「手抜きをしない子どもの育て方」として「事前指導」に焦点をあててお話ししました。

今回は前回に引き続き、手抜きをしない子どもを育てるために大切な「フィードバック」について解説していきたいと思います。

これまで、子どもたちに指導(説明や指示、望ましい姿の例示)をする際に、説明通りに動いてくれなかったことがありませんでしたか。実はこれは「教員からのフィードバック不足」が原因かもしれません。

フィードバックとは、「子どもの活動に対しての教員の評価」や「改善点の提示」または「励ましの言葉」などを指します。

子どもたちが活動するときに、指導はするけれど、終わったあとにフィードバックを忘れてしまう若手教員は、少なくありません。実を言うと私も、若手教員時代はフィードバックをしない教員の一人でした。

                   

フィードバックがないと、子どもは自分が行った活動が良かったのか、悪かったのか分かりません。また、活動の中で「うまくいかないな」と感じても、どうすれば良いか分からないので、同じことを繰り返してしまいます。さらには、がんばりも気づいてもらえないため、意欲も上がりづらくなってしまいます。このような理由から、活動の後は必ず教員からのフィードバックが必要です。

では、具体的にはどのようにフィードバックを行えばよいのでしょうか。今回は、プール清掃が終わった場面でのフィードバックについて考えてみます。

はじめに、活動に対しての教員の評価をしましょう。「今日のプール清掃は、みんな一生懸命にがんばっていましたね。特に、床磨きを担当した人たちは、素晴らしかったです。自分たちの担当の場所を磨き終わったら、他の場所を手伝っていましたね。自分で仕事を探して動く姿は、大変美しいです」

評価の後は改善点の提示をします。「みなさん一生懸命頑張っていましたね。しかし、先生は見ていて一つ気になることがありました。なんだと思いますか。」ここでのポイントは、子どもに考える時間を与えて、答えさせることです。

「(答えを聞いて)その通りです。終わったあとに、まだ片づけている人がいたのに、教室に帰っている人がいましたね。これは、美しい行いでしょうか。では、次回はどうすればよいでしょうか。」

最後には励ましの言葉で締めましょう。「今回、先生は感動したことがありました。私語をせずに床を磨いていた子がいました。その姿を見たときに、とても美しいと感じました。先生にも大切なことを教えてくれてありがとう。」

ここでのポイントは、良いことをした子どもたちを褒めることです。褒めることで良い見本であることを示します。さらに、褒められた子どもたちは頑張る意欲が高まります。

このように、活動のあとにフィードバックをしていくことで、次の活動への意欲に繋げていきます。今までお話ししてきたようなことを繰り返すことで、手抜きをしない子どもが育つと私は考えています。             

今回は「手抜きをしない子の育て方」として「フィードバック」に焦点をあててお話ししました。少しでも読んでくださった先生方のお役に立てれば、うれしいです。

次回は、私が学級づくりの中で大切にしている「対話」についてお話しします。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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