こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。前回は、私の考える教員の役割「子どもの心を育てること」についてお話しさせていただきました。
心を育てるには、教員が「心が育っている状態」を明確にする必要があります。なぜならば、教員がゴールを知らなければ、そこまで導くことができないからです。では、心が育っている状態とは、どのようなことなのでしょうか。
今回は、「心が育っている」と判断できる条件や特徴について説明していきます。
心が育っているとは、以下の2つを満たしている場合だと私は考えます
・仲間を大切にすること
・手抜きをしないこと
「仲間を大切にする」とは「言語環境が整っていること」と「友だちを助ける行動をすること」を指します。仲間を大切にできる子どもたちは、言葉遣いが丁寧です。人を傷つける言葉や、下品な言葉遣いをすることはありません。
子どもは発達とともに、人を傷つける言葉や下品な言葉を使ってしまうことがあります。なぜ、子どもはそのような言葉を使ってしまうのでしょうか。おそらくそれは、教室の中で「自分が大切にされていない」と感じているからです。大切にされないから、不安を感じてしまう。だから、言葉によって自分を大きく見せるしかない。そんな心理状態なのではないでしょうか。
周りから大切にされている子どもは、そのような言葉を使う必要がありません。そのため、仲間を大切にしている学級の子どもたちは言葉使いが美しいのです。
また、心が育っている子どもには、友だちを助ける行動が良く見られます。自分や仲の良い友だちのことばかり優先するのではなく、困っている友だちを気遣い、助け合うことができます。こういった子たちを見ていると「教員より子どもの方が、子どもたちを理解しているなあ」と教えられます。
今回は子どもが育っている状態の条件の一つ「仲間を大切にする」ことについて説明しました。少しでもみなさんのお役に立てればうれしいです。次回はもう一つの条件である「手抜きをしないこと」について、お話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。