教材研究を楽しむ 国語の教材研究

みなさん。こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。

今このエッセイを読んでくださっている方の多くは教員なのではないでしょうか。ここで一つ質問です。みなさんは、なぜ教員になったのですか。私にも、教員を目指した理由は授業が好きだからです。良い授業をしたとき、子どもたちが目を輝かせてくれる。それを見たくて教員を続けています。

では、そんな授業において大切なことはなんでしょうか。いろいろな要素があると思いますが、その中の一つが「教材研究」です。今回は、国語における教材研究についてお話しします。

私が教員になりたての頃、先輩に「教材研究が大切」「明日の教材研究をしなさい」と繰り返しアドバイスされました。きっと教材研究をしたことのない教員は、日本中探してもいないでしょう。

しかし、ある時ふと思ったんです。「これって、教材研究なのかな。私がしているのは、授業準備じゃないのだろうか」と。

教材研究のやり方は、だれも教えてくれませんでした。なにをすれば良いかも、わかりませんでした。ですから、ただ教師用指導書を見て、板書計画を立てることが、私の教材研究でした。これが、本当に教材研究と言えるのでしょうか。そもそも教材研究とは何なのでしょうか。

私の師である植草学園名誉教授の野口芳宏先生は、国語の教材研究について次のように仰います。

「教材研究とは、素材研究がほとんどである」素材研究というのは、あまり聞き馴染みがないかもしれません。

詳しく説明していきます。教材とは「教える材料」です。教科書に載っている作品などは、教材です。それを材料として、子どもたちに教えるわけですから。しかし、それらの作品は「児童文学」であったり、「俳句」であったりと様々です。これらは例外(教科書のための書き下ろし)を除き、本来は教材として作られていません。

児童文学ならば、想定読者は子どもですが、教えるために作られたのではなく、楽しませるために作られているのです。それらを、私たち教員が教材として取り上げているだけです。

つまり、作品は教材である前に「素材」なのです。野口先生は素材研究について「教師づらをせずに、作品を読むこと」と述べています。教員は教材を読むときに「どうやって子どもたちに教えようかな」「どこを発問にしようかな」といった教員の観点で読んでしまいがちです。そうではなく、一読者として作品を楽しむために読むのです。それが、素材研究です。

そのように作品を読んでいくと、必ず「ここは不思議だな」「このときの登場人物はどんな気持ちだったんだろう」と自分なりに感じるところが出てきます。それを中心に授業を作っていくのです。

そうした授業が子どもの目を輝かせるものになり、教員自身が楽しむことができる授業になると考えます。教材研究は、教員にとっても大きな楽しみです。教材研究をすることで、明日の授業が楽しみになりますよ。

というわけで、今回は「国語の教材研究」についてお話ししました。次回は「教材研究の三分類」についてお話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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