教員志望者におすすめのアルバイトとは?将来に役立つスキルを身に付けよう

今回は、教員志望の方から現役教員によく質問される「教員になったときに役立つアルバイトとは」という質問に答えていきます。アルバイトは、教員採用試験の面接でも大きなアピール材料となりますよ。

ライター

emikyon

・元公立学校教員

・教育委員会にて勤務

・eduloライター歴2年

教員志望者がするべきアルバイトとは?

教員の仕事は、主に「人に教えること」です。今回紹介する業種も「教える」ことを主眼に置いて解説します。教職に就いたときに役立つスキルを学ぶことができれば、現場に出たときに大きなアドバンテージを得ることができますよ。

一番人気は「学習塾講師」や「家庭教師」

現役教員の多くが学生時代に経験しているのが「学習塾講師」や「家庭教師」です。これらのアルバイトの魅力は2つあります一つ目は「教える難しさを知る」ことができる点です。多くの子どもは、思考力を伴うような問題や自分の考えや思いを表現する問題が苦手な傾向にあります。子どもに教える際には、答えを教えるのではなく、つまずいているポイントをいち早く見つけ、つまずきを解決できる手法を提供するようなコーチングをしていきましょう。

二つ目の魅力は、報酬の高さです。塾講師や家庭教師のアルバイトは高給なものが多く、時給換算で1000円から3000円、指導する内容によってはそれ以上のケースもあります。特に難関校を受験する子どもが集まる塾や家庭教師を担当すると高額な報酬を得ることができますよ。ある程度の学力があればできる指導者ですが、その中でも高い指導技術や他の人にはない優れた能力があればお金を稼ぐ武器になります。

さらに、集団授業を行う学習塾講師の場合は、人前で話すことに慣れるというメリットがあります。誰しも大勢の人を前にし、緊張のせいで、伝えたいことをうまく言葉にできなかったという経験があるのではないでしょうか。

アルバイトで普段から大勢の子どもたちの相手をすることにより、緊張することなく話せるようになります。また、慣れてくると子どもたちの反応や表情を見ながら授業展開を工夫するなど、臨機応変に対応することができるようになりますよ。

サービス業は人間関係スキルを学べる

教員は、子どもたちだけでなく保護者や同僚と円滑な人間関係を作り上げることが求められます。人間関係作りをサービス業のアルバイトを通して学ぶのも一つの方法です。例えば、どのアルバイトでも同じですが、働いているところでは上司と部下、同僚という人間関係が生まれます。そして、組織で仕事をしていくためには、それぞれのポジションで与えられた仕事を確実にこなす必要があります。上司へ報告する方法や話し方のマナーなどはアルバイトを通じて学ぶことができます。

例えば接客業では、全てのお客さまに対して同じ態度で接するのではなく、臨機応変に接し方を変えることや、先を読んだ対策が求められます。人間関係を円滑につなぐスキルは、最初から身についているものではなく、さまざまな経験を通して学ぶことができるので、人と接することが多いサービス業は教職志望者におすすめのアルバイトです。

サービス業の注意点は、時給単価で見ると少し安い傾向があります。教職課程は、取らなければいけない単位も多く、教育実習もあります。他の学部に比べると時間が取りにくいのでアルバイトばかりしていると学業に影響が出る可能性もあるので注意しましょう。

関係ないことをやるのも面白い

幅広い経験をしてきたからこそ、話すことができる経験談は子どもを引き付けることができます。筆者の元同僚の男性教員は、家庭科の授業の際に「包丁さばきがすごすぎる」と噂になりました。なんでもアルバイト時代に和食料亭の調理場を担当しており、フグの調理師免許も持っているという先生でした。こんな技能を披露するだけでも、その先生の魅力が高まります。

教員として即戦力となれるアルバイトを選ぶのも良いですが、自分の興味のあるものや意外性のあるアルバイトをしてみるのもおすすめです。

学生時代のアルバイトではどんなことがあったのか、楽しかったけれど稼ぐことはできなかった話や短期間で稼ぐことができたような話は子どもがとても喜ぶ話です。こうした話をすることができる経験を大学時代にしておくのもよいですね。

資格を取得してスキルアップ

学生時代のアルバイトを利用し、スキルアップするのも良い方法です。いつか教職以外の道を志すようになったときにも役立ちます。

英語教師などよ外国語指導を目指しているのであれば、英会話教室などの英語指導のアルバイトや短期のワーキングホリデーなどを通して語学スキルを学び、「英検」や「TOEIC」など語学に関する資格を取得することがおすすめです。

他にも資格取得まで行かなくても家電量販店やパソコン教室アルバイトの中にICTスキルを必要とするものがあれば学校現場で活躍できます。学校でもICT化が進んでいますが、民間企業に比べると十分に活用されているかというと正直疑問符が付くところです。そこでICTを活用するスキルや学校現場でも活用できそうなICTに関する知識を身につけていると現場に出てから非常に役立ちますよ。

教員採用試験でも大きな武器になる

教員採用試験を受けるときにアルバイトの経歴は加点される部分とされない部分があります。何らかの資格を取得していれば加味されるかもしれませんが、ただ単に経験を積んできただけでは加点されません。ただし、面接のときにアルバイトの内容に興味をもってもらうことができれば自分のアピール材料にはなります。

面接官が知りたいのはアルバイトで経験したことよりも、そこで何を学び、どんな失敗をしてきたのか、そしてアルバイトの経験がこれからの教職にどんな影響をもたらしてくれるのかという部分です。なんの考えも持たずにアルバイトをしていると面接でアピール材料とすることはできませんが、将来を見越して考えてアルバイトをしてきたのであれば大きなアピール材料になります。

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