みなさん。こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。
私は国語の授業を通して形成するべき学力を「語彙力」「読解力」「作文力」の3つに大別して考えています。前回は、その中の「読解力」を高める国語授業についてお話ししました。
今回は、3つ目の学力である「作文力」を高める授業方法についてご紹介したいと思います。
作文とは、「文を作ること」です。つまり「書くこと」と言えます。国語は主に「話す」「聞く」「読む」「書く」の技能領域に分かれており、その中で最も高度な技能は「書く」ことです。子どもたちにとって書くことは、話すことや読むことより難しいと感じるはずです。
私の師である植草学園大学名誉教授の野口芳宏先生は「作文は、国語学力の総決算である」と仰います。今まで培ってきた全ての学力を使い、書き上げるのが作文です。子どもだけでなく大人にとっても難しいのは当たり前ですね。
私の感覚ですが、クラスにいるほとんどの子どもは「作文が嫌い」です。クラスの中で作文が好きな子は1割にも満たないのではないでしょうか。
でも、実は作文って本当は楽しいものなんです。そのことを子どもたちに気づかせて、作文力を高めることが私たち教員の責務です。では、どのようにすればよいのでしょうか。
私は「作文を上達させるためには、作文をするしかない」と考えています。つまり、知識を増やしたり、教えたりすることよりも、どんどん書かせることが作文力を高める近道だと思っています。
そのために大切なことは「多作・楽作」(野口先生の造語です)です。多作とは「たくさん作文を書くこと」、楽作とは「楽しく作文を書くこと」です。楽しく、たくさん作文を書けば、自然と子どもたちの作文力は高まっていきます。
私は多作・楽作するには以下の3つの要素が大切だと考えています。
一つ目の要素は、【テーマ設定】です。子どもが書きたくなるようなテーマを設定し、作文を書かせます。
例えば「きのこの山とたけのこの里なら、どっちが好きか?」や「学校に校則は必要か、不要か」などです。それと「うそ作文」もおもしろいです。これは日記風にうそを書いていくものです。「朝起きたら、うちのペットのゴジラが叫んでいた。そこでぼくは・・・」というように書いていきます。
二つ目の要素は、【例文の提示】です。作文指導をする上で、最も大切なことは「お手本を見せる」ことです。
私たち大人も、何か書くときは、必ず例文を見ますよね。例文を見ることで、全体の流れをイメージすることができ、書くハードルが下がります。できれば、例文はいくつかあると良いです。また、先生が書いた「範例」を示すと、子どもたちの意欲が上がります。
三つ目の要素は、【相互評価】です。子どもが書いたものを、書きっぱなしにしてはよくありません。教員が読むことも必要ですが、子どもたち同士で読み合うことが有効です。
「友達の作文のおもしろいところを見つけましょう」「良い書き方だと思ったところは、次に書くときにまねしてみましょう」など言葉かけをすることで、次の作文の意欲を高めていきます。このような取り組みを、年間を通して行っていくことで子どもたちの作文力を高められますよ。
今回は「作文力」についてお話ししました。次回は「国語の教材研究」についてお話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。