みなさん。こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。私は国語の授業を通して形成するべき学力を「語彙力」「読解力」「作文力」の3つに大別して考えています。

前回は、その中の「語彙力」を高める国語授業についてお話ししました。今回は、2つ目の学力である「読解力」を高める授業についてご紹介したいと思います。

以前より、文部科学省や地方自治体は、子どもたちの読解力を高めるための取り組みを呼びかけています。読解力の向上は、学校教育の大きな課題であり、国語教育の担っている役目でもあります。恐らく、時代がどのように変化したとしても、人間にとって読解力は必要となる力でしょう。

さて、それほどまでに重要視されている読解力とは一体なんなのでしょうか。「読み解く力」といえば、それまでですが、もう少し深ぼりして考えてきいたいと思います。

私の師である植草学園名誉教授である野口芳宏先生は「読解」について「文と文を論理的に整合すること」や「内容を論理的に推測すること」と述べています。それを踏まえて、読解力について私は次のように考えています。「文と文を論理的に整合し、自己の解を持つ力」では、このような読解力は、どのようにすれば身に付くのでしょうか。

私は「誤読するであろうところを、問うこと」によって、読解力が身に付いていくと考えます。文の中で、子どもが自身の力で読み取れるところは、問う必要がありません。だって、自分で読めば分かりますから。しかし、子どもだけで読むと誤った解釈で読んでしまうところがあります。そのような場所を教員が問うことにより、子どもは思考し、読解力が養われるのだと思います。

このままでは伝わりにくいと思うので、実際の授業の場面で考えてみます。教育出版の2年国語教科書の中に「きつねのおきゃくさま」という物語文があります。おおかみが山からあらわれ、きつねが仲間(ひよこ、あひる、うさぎ)を守るたために勇ましく戦う場面で、次のような文章が載っています。【ある日、くろくも山のおおかみが下りてきたとさ。「こりゃ、うまそうなにおいだねえ。ふんふん、ひよこに、あひるに、うさぎだな」「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ」言うなり、きつねはとびだした。】

1つ目の発言は、おおかみです。これを読み間違える子はほとんどいません。自力で読めばわかるからです。ですから、問う必要はありません。しかし、3つ目の発言はどうでしょうか。私の経験上、子どもは「おおかみが言っている」と「きつねが言っている」の2つに分かれます。みなさんは、どちらだと思いますか。

正解は「きつねが言っている」です。その後に「言うなり、きつねはとびだした」と書いてあります。この発言を言った者が、言った直後に飛び出したということです。つまり、きつねはおおかみに対して「まだ、俺がいるぞ。俺がおまえの相手をしてやる」と宣言し、自分を奮い立たせるために言ったのです。おおかみが「いや、まだいるぞ。きつねがいるぞ」と言った直後にきつねが無言で飛び出したことも、考えられなくはないですが、それは強引な解釈でしょう。

このように、文を論理的に整合していけば、きつねの発言だと読み取れるわけです。このようなことは、教員が問わないかぎり、子どもは気がつきません。問うことで、矛盾に気がつき、読解力が身についていくと考えいます。

というわけで、今回は「読解力」についてお話ししました。次回は「作文力を高める授業」についてお話ししたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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