こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。

前回は対話の定義についてお話しさせていただきました。今回は、「3つの類型」について考えていきましょう。

「主体的・対話的で深い学び」というキーワード広まり、多くの学級で対話的な活動が増えてきたと感じます。研究授業を参観させていただくとどの教科においても、必ずと言って良いほど対話活動が含まれています。対話とは、それほど価値のある活動だということです。

私は対話には、大きく分けて3つの類型があると考えています。それは「関係形成的対話」「確認的対話」「生産的対話」です。それぞれ詳しく解説していきます。

一つ目の「関係形成的対話」は、子ども同士の人間関係を作るための対話活動です。子どもたちは話し合うことで、信頼関係を築いていきます。その役割を担うための対話活動です。具体的には次のように使います。

「隣の友達に、明るい声であいさつをしてみましょう」

「友達のノートに花丸をつけて『美しい文字ですね』とほめてあげましょう」など

関係形成的対話を繰り返していくことで、子ども同士の仲が深まり、学級の雰囲気が良くなっていきます。

二つ目の「確認的対話」は、子ども同士で確認作業をさせるための対話活動です。これを行うことで、教員が確認せずとも、子ども同士で声をかけあってミスを防ぐことができます。具体的には次のように使います。

「友達に『教科書〇ページは開けた?』と聞きましょう」(音楽室に移動する前に)「隣の友達に『リコーダー忘れてない?』と尋ねましょう」など

確認的対話を取り入れることで、自分たちで確認をする習慣がついていきます。

三つ目の「生産的対話」は、何かを生み出すための対話活動です。話し合い活動として、一番イメージするのが、この対話活動だと思います。具体的には、次のようなものです。

「このとき、なぜ主人公はこのような行動をしたのか、友達と話し合いましょう」「縄文時代と弥生時代の生活は、どこが違うでしょうか?交流しましょう」など

生産的対話は、自分一人では思いつかないことを、意見を交流させることによって生み出すことができます。これを繰り返すことで、子どもたちは対話の良さを実感していきます。

これらの3つの類型に優劣はありません。どれも必要に応じて使っていくべきです。このように4月からそれぞれの対話を積み重ねることで、驚くほど子どもたちは成長します。

今回は「対話の3つの類型」についてお話しました。次回は「対話の形式」についてお話しします。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。 

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