【教員志望者必見】2024年の教育革命!絶対に知っておくべき4つの教育トピックとは?

近年の教育業界の変化は大きく、メディアでも話題となっています。現役の教員もこれから教員を目指す方も、教育業界で起こっている変化や今後の動向を知っておくことが求められています。特に教員採用試験では、「最新の教育事情」がよく出題されているため、受験者は必見です。今回は、2024年の教育業界の多くの変化の中から特に影響力の強い4つをご紹介します。

ライター

emikyon

・元公立学校教員

・教育委員会にて勤務

・eduloライター歴2年

デジタル教科書が本格的に導入

2024年度は小学校の教科書改訂の年になりました。2025年度には中学校の教科書改訂が予定されています。教科書改訂による内容の変化は教科書会社によって異なりますが、自治体が導入している教科書の会社が変わった場合、教員も指導カリキュラムの見直しやテストの見直しをする必要があります。


2024年の教科書改訂において、どの教科書会社も力を入れているものがデジタル教科書です。例えば、従来から利用されている紙の教科書にはQRコードが教科書内に多用され、子どもたちがもっているタブレット端末で読み取りをして動画教材や解答・解説などを見ることができるようになりました。デジタル教科書も、従来は「教師が提示して授業をする」ことを意識した造りになっていましたが、新教科書になりデジタル教科書も子どもが使うことを意識した造りになっています。


具体的には、次のような変化がみられています。
・画面の拡大・縮小、画面をクラウドに保存することができる機能
・音声読み上げ機能が充実し、英語翻訳だけでなく、日本語で読む機能もついた(母語が日本語ではない児童生徒のサポートとして)
・漢字表記へのルビ機能

他にも動画教材へのリンクの充実やデジタルドリルとの連携(自動採点機能やAI機能を使った自動問題作成機能など)が充実して、全ての児童生徒にとって使いやすい教科書になっています。


参考文献:デジタル教科書に関する制度・現状について,文部科学省,https://www.mext.go.jp/content/20200710-mxt_kyokasyo-000008653_03.pdf(参照2024-6-15)

デジタル教科書の導入は自治体によって異なる

児童生徒が利用する「学習者用デジタル教科書」の導入状況は自治体によって異なっています。文部科学省は、2024年度スタートの段階で外国語のデジタル教科書無償化の政策を出しており、他に追加して1教科まで補助の出る自治体もあります。学習者用デジタル教科書の価格は1教科一人当たり200円から2000円前後で、全ての教科において導入するとなると自治体の負担が大きくなるのが現実です。紙の教科書のように「無償化」の対象にはなっていないため、2024年度から本格導入とはなっていますが、全ての小中学生が利用できるわけではないことを知っておきましょう。

国公立大学入試において「情報」が必須科目に?


2022年度から高等学校において「情報Ⅰ」の必修化に伴い、2024年度に実施される大学入試の出題科目に「情報Ⅰ」が追加されます。高等学校の教員にとっては、どんな問題が出題されるのか、大学側がどういった取扱いをするのかという点について今年は注目される年になります。


既に「文部科学省」や「独立行政法人 大学入試センター」から現状の「国語」「地理歴史」「公民」「数学」「理科」「外国語」の6教科30科目から「情報」を加えた7教科21科目への変更やサンプル問題の公開がされています。

また、2024年6月現在、分かっている情報として下記が公表されています。
・2022年4月に高校1年生だった生徒向けとそれ以前に高校1年生だった生徒向けの2種類の問題が用意され
・問題は、実際のプログラミングに関する穴埋め問題やデータ分析の考えた方の問題が出題される

一方、大学入試の際に必須科目になるのかどうかはまだ、はっきりと公表されていません。国立大学では必修になるのではという話もありますが、これも噂の段階です。(情報系の学部はほぼ必須になるのは間違いない)私立大学では、早稲田大学や上智大学の理工学部、同志社大学などで共通テストで課す科目の「選択」として「情報Ⅰ」を導入することが公表されています。
まだまだ、不透明な情報が多いので、高等学校の教員は今後出てくる公式な情報をしっかりと確認しましょう。

参考文献:平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目 情報サンプル問題,文部科学省,https://www.mext.go.jp/content/20211014-mxt_daigakuc02-000018441_9.pdf(参照2024-6-15)

2024年度から5年間「私立大学の集中改革期間」


文部科学省の盛山大臣が2023年9月の会見で2024年度から5年間で私立大学の集中改革を実施すると発表しました。これも高等学校の教員にとっては非常に重要な情報です。


どのようなことがポイントになるのかを以下に述べます
・私立大学の経営改革と定員規模の適正化を支援
・大学の統廃合・高等学校との一元化
・私学助成の配分を定員以下の大学では減額し、将来を見すえたチャレンジや改革をする学校の支援

上記のことを令和6年度から10年度までの期間で行うと発表しました。
私立大学では、少子化に伴って入学生徒数が減り、募集を停止する学部や高等部との連携によって大学と高等学校教育を一体的に進めていくところが現れています。一方で、研究機関としての大学を維持することが困難になってきている部分もあり、定員を適正化して学校を維持しようとする取組も行われています。そこでこれからの5年間を私立大学の集中改革期間として、今の日本にあった教育をしていくことができるように大学規模の調整や改革が行われます。

参考文献:盛山正仁文部科学大臣記者会見録(令和5年9月26日),https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/mext_00415.html(参照2024-4-15)

NEXT GIGAで機材更新が本格化


2019年に国が打ち出した「GIGAスクール構想」に伴って2020年から2021年にかけて「一人一台端末」「高速大容量ネットワーク」が全国に配備されていき、授業も大幅に変わりました。一方で、このときから不安視されてきたのが端末更新問題でした。

2024年は端末が導入されてから4~5年を迎える自治体が多く、一般的なバッテリーの耐用年数である「4年~5年」と重なります。つまり、2024年度から順次、端末更新を迎えることになります。また、これまでの4年間のGIGAスクールに取り組みをしてきた背景を受けて、3つのポイントが示されました。


・「さらなる利活用の促進」
・「自治体間格差の解消」
・「端末リプレイスの支援」


利活用については各自治体やリーディングDXスクールに指定された学校の取り組みなど、パイロット的な役割をしている学校への支援策が促進されます。また、端末の更新に関しても「更新の支援」を国から約束されたことで、今年度から端末の更新がスタートします。ただし、GIGAスクール当初、半導体不足による納入遅れや、学校内でも利用している端末に違いがあり、指導しにくかったという問題があったため、更新に関しては自治体主導で段階的に進められていく見込みです。

2024年は特に変化の多い1年になります!

2024年度に教育業界で起きる変化についてまとめました。今年度の特徴として、教科書改訂は小学校にかかわるもので、高等学校にかかわるものが2つあります。

教員採用試験では、「最新の教育事情」がよく出題されているため、今回紹介した4つは、しっかりと自分の言葉で意見を述べられるように理解しておきましょう。

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