教育委員会の役割や仕事内容とは?教育の専門家指導主事についても解説!

教育委員会の役割やどんな仕事をしているか気になったことはありませんか。

教育委員会というと苦情の処理や学校に指示、命令をするところというイメージがあるかもしれませんが、学校の先生が笑顔で子どもと向き合うことができるようにするために学校や教員を支えている場所です。今回は、教育委員会に所属していた現職教員が教員委員会の仕事内容を詳しく解説します。

ライター

emikyon

・元公立学校教員

・教育委員会にて勤務

・eduloライター歴2年

教育委員会の概要

教育委員会は、都道府県や市町村に置かれる合議制の執行機関で、教育だけでなく文化やスポーツなどの施策を展開します。

教育長をトップとして、原則5名の教育委員で構成されており、この下に事務局と呼ばれる場所があります。教員が異動で配属される「指導主事」も事務局職員の一人です。事務局には教員からの異動だけでなく、市役所に務めている職員も配属され、教育総務課などと呼ばれます。

教育委員会がつかさどる範囲は学校だけじゃない

教育委員会が管理する範囲は、学校だけではありません。公民館や図書館、さらに地域の博物館やスポーツ施設といったものも含まれます。市の教育委員会であれば「市立」、県の教育委員会であれば「県立」の施設が担当です。 

教育委員会というと学校を管理・監督するようなイメージがあるかもしれませんが、それはたくさんある仕事の1つです。

教育委員会の事務局は、生涯学習や社会教育の振興として公民館や博物館の設置管理など、芸術文化の分野では文化財の保護なども行います。外部の団体から、生涯学習やスポーツの振興などに関するイベント開催の要望があれば、後援をしたり、共催をしたりすることもあります。

参考文献:教育委員会制度について,文部科学省,https://www.mext.go.jp/a_menu/chihou/05071301.htm(参照2023-10-11)

参考文献:教育委員会法,文部科学省,

https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1318136.htm(参照2023-10-11)

学校に直接関係する人事や管理・研修業務

では、教育委員会の仕事の中で学校現場の先生と大きくかかわる業務について解説します。

① 学校の設置管理

一つ目は、学校の設置管理です。新しく学校を建設したり、統廃合をする際の管理を任されています。少子化と学校施設の老朽化が喫緊の課題になっていますが、学校の統廃合となると新校舎の建設費、地域住民への説明など簡単にはいきません。また、施設の破損や老朽化に伴うトラブルの修繕も担当します。

② 教職員の人事及び研修

組織の活性化には異動がつきものです。教育委員会では人事異動に関する仕事、教頭や校長などの管理職登用に伴う任用試験、新任の教員採用試験などを実施します。また、採用された職員が能力を発揮できるような研修、初任者研修をはじめとした法定研修、教員のスキルアップ研修なども実施します。

③児童・生徒の就学及び学校の組織編制

教育委員会では就学する子どもの管理も行っています。次年度、小学校や中学校に進級する子どもに対して「就学通知書」を送付し、近隣学校で健康診断を受ける通知もしています。また、成長に悩みを抱えていたり、特別な支援を要したりする児童生徒に対して相談会を実施します。入学者数の見込みが立ったら学校の組織編成(学校クラス数や教職員の人事配置など)を検討します。

④校舎等の施設・設備の整備

学校の校舎や設備に関する修繕も教育委員会の仕事の1つです。大規模な市になれば「教育総務課」と呼ばれるような部署が用意されています。修繕に関する依頼やICT機器などの配備、ゴミ回収といったことを担います。

教員をやっていると意識することは少ないですが、教室のネットワーク環境の整備、電気やガス料金の支払い、給食関係に関する事務作業といったことも担うのが教育委員会です。

⑤教科書その他の教材の取扱いに関する事務の処理

学校で利用する教材準備も教育委員会が行います。代表的なものが教科書で、教科書の採択から各学校への配送、転出入に関する手続きなども行います。児童生徒が利用する教材も、児童生徒が個人のお金(いわゆる学年費)で購入するものもあれば、自治体が一括で購入して各校に配布しているものもあります。

参考文献:教育委員会制度について,文部科学省,https://www.mext.go.jp/a_menu/chihou/05071301.htm(参照2023-10-11)

学校を陰で支えている予算や人の管理などの事務業務

教育委員会の大きな仕事の1つが予算管理です。学校にはそれぞれ予算が配分されており、消耗品や修繕をしますが、これ以外にも学校は多額のお金がかかります。水道代や光熱費、植木の剪定、ごみ処理費などは市が一括して支払いをしているケースが多いです。校舎の建て替えが必要になるような場合は、何年もかけてお金を準備していきます。

もう一つは、人事管理です。政令指定都市を除けば、多くの学校の先生が都道府県採用で、県の職員という扱いになります。しかし、人事異動は市町村単位や地域単位で行われることが多く、このときの人事を管理するのが教育委員会になります。また、学校には都道府県で採用されてる教員(非常勤も含む)もいれば、市町村で採用されている教員(非常勤も含む)もいます。スクールカウンセラーや図書館司書、特別支援協力員なども都道府県採用と市町村採用がいます。これらの先生を採用し、各学校に配置することも教育委員会の仕事になります。いくらでも採用することができるわけではなく、市町村の教育にかけることができる予算には限りがあります。学校事情によっても求める教員の種類や人数が変わるため、さまざまな事情を考慮しながら人事配置をしていきます。

教育委員会ははどんな人がいるの?

教育委員会で働いている人は、基本的に自治体で採用された市役所の職員(地方公務員)になります。したがって、教育を専門としている人は少なく、どちらかといえば事務職員として採用されています。役所内の人事異動で動くので教育委員会(多くのところで学校教育課という名称)から財政課、年金課といったところへ異動することもあります。そこに教育の専門家として加わるのが「指導主事」と呼ばれる人たちです。指導主事は、教育の専門家として学校長や教頭に指導助言をすることができます。学校現場でそれなりに経験を積んだ人が指導主事となるため、年齢的には40代から50代が多く、各学校現場に行って書類や設備の点検を実施することもあります。市の教育委員会で働いている人は、市の職員となるため、一度、県の職員である教員を退職するため「退職届」を書いて、指導主事になります。

参考文献:指導主事等の配置状況について,文部科学省,

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo1/003/gijiroku/attach/1421329.htm#:~:text=%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%81%AE%E5%96%B6%E3%82%80%E6%95%99%E8%82%B2%E6%B4%BB%E5%8B%95,%E6%8C%87%E5%B0%8E%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%81%B7%E5%8B%99%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%86%E3%80%82(参照2023-10-11)

学校が円滑に運営できるようにサポートするのがメイン

教育委員会は、苦情の処理や学校に指示、命令をする場所であるというイメージがあり、世間から非難の眼で見られやすい場所になってしまっています。しかし、実際には、教員が笑顔で働くためのサポートや子どもたちが充実した教育を受けられるように様々な環境整備をしている縁の下の力持ちのような存在なのです。

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