こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。
前回は、心が育っている子どもは「手抜きをしない」と解説させていただきました。
手抜きをしない子どもたちを育てるために大切なものが何か分かりますか?それは、継続した指導です。今回は「手抜きをしない子どもの育て方」についてお話したいと思います。
残念ながら、「手抜きをしないことの大切さ」を子どもたちに説明しても、すぐには実践してくれません。私たち大人でも、一生懸命に取り組む大切さがわかっていながらも、ついつい横着をしてしまうことがありますよね。精神的に未熟な子どもなら、なおさらです。
だからこそ、教員は子どもたちに粘り強く何度も指導していく必要があります。
指導をする際のポイントは、以下の2つです。
・事前指導
・フィードバック
一つ目の「事前指導」について詳しく解説していきます。子どもたちが活動するときに、最も大切なことは「事前指導」だと私は思います。事前指導とは、活動の前に教員が子どもたちに行う指導のことです。
事前指導には、「スケジュールを伝えることで、活動に見通しを持たせる」「望ましい行動について考えさせ、充実した活動ができるようにする」「注意することを考えさせ、トラブルを防止する」このような効果があります。例えば、運動会の前日準備をする際には次のように事前指導します。 ①スケジュールを伝える
「今日の前日準備は、〇時に朝礼台前に集合です。そこで先生が連絡をします。その次は係別に分かれて、それぞれの作業をしてください。△時にもう一度、朝礼台に集合してください。ということは、教室は何時に出発すればよいでしょうか?また、何時に仕事を切り上げて集合すればよいですか?」
②望ましい行動について考える機会を与える
「係によって行う仕事が違うので、終わる時間に差があります。早く終わった係は、どのようにするのがよいでしょうか?」
「もし、自分のやることがわからなくなったら、どうすればいいと思いますか?」
③注意することを考えさせる
「前日準備のときに、これは良くないなと思う行動はなんですか?」
「〇〇の作業には、どんな危険がありますか?」
このように指導をします。そして最後には必ずこう付け加えます。
「それぞれ、一生懸命に頑張ってください。自分がやることがわからなくなったり、間違えてミスをしたりするかもしれません。でも先生は一生懸命がんばっていれば、それで良いと思います。手抜きをしない人は美しく見えます。力を合わせて頑張りましょう」
事前指導をしたあとは、子どもたちの意欲に火をつけるのが肝要です。事前指導が「ただの注意」になってしまうと、大変もったいないです。子どもたちを「一生懸命がんばりたい」という気持ちにすることが大切です。
今回は「手抜きをしない子の育て方」として「事前指導」に焦点をあててお話ししました。次回は、事前指導をしたあとに大切となる「フィードバック」についてお話したいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。