教材内容と教科内容の違いとは?

みなさん。こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。

前回は、教材研究の三分類についてお話しさせていただきましたね。教材研究には大きく「教材内容」「教科内容」の2つがあります。みなさんは、授業をする上で、この違いを意識した指導ができていますか。この違いを明確にすることで、子どもたちにとって国語の授業がより一層楽しくなると思います。今回は「教材内容と教科内容」についてご紹介していきます。

私の師である植草学園名誉教授である野口芳宏先生は、教材内容と教科内容をきちんと区別して指導するべきであると主張されています。

教材内容とは、その教材に限定して読み取ることができる内容のことです。少し分かりづらいと思いますので、具体例を用いて解説します。

教育出版2年生の国語教科書に「はるねこ」という物語文が掲載されています。お話の内容は「春を運ぶ仕事をしているはるねこが、春のたねをなくしてしまい、春を運べなくなってしまう。そこで主人公のあやの助けを借りて、春を運ぶことができるようになる。後日、あやのもとへお礼の手紙が送られてくる」というものです。

この物語の教材内容は、「はるねこは、どんな仕事をしているのか」「はるねこは何をなくしてしまったのか」「あやは、どんな方法ではるねこを助けたのか」といったものです。単元の最後に行うテストでは、主に教材内容を問われることが多いでしょう。それに対して教科内容とは、その教材を通して教科として教えるべき内容のことですね。

先ほどのはるねこを例に考えてみましょう。この物語の冒頭には「登場人物のしたことに気をつけて読もう」と書いてあります。つまり、ここで子どもたちに身につけさせる学力は「登場人物の言動を読み取り、解釈し、理解できる力」だと言えます。はるねこの授業が終わったときに、はるねこという物語の内容を覚えておくことが重要なのではなく、どの物語を読んでも登場人物の言動を読み取り、解釈し、理解できることが肝要です。

しかし、野口先生は「ほとんどの国語授業は、教材内容の指導に偏ってしまっている。もっと教科内容を指導すべきだ」と仰っています。では、どのようにすれば教科内容を指導できるのでしょうか。そこで有効な手立てが「学習用語」だと考えています。

というわけで、今回は「教材内容と教科内容」についてお話ししました。次回は、最後に取り上げた「学習用語」について詳しくお話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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