【2027年度教員採用試験】知っておくべき時事と出題予想

いよいよ5月から全国各地で教員採用試験が始まります。あなたも2027年度の採用に向けて勉強を頑張っているのではないでしょうか。

全国的に教員の人気が低迷しているといっても、受験する自治体や校種によってはまだまだ倍率が高いといえます。また近年は、「人物性」が重視されるようになり、筆記試験だけでなく小論文や面接など、自己表現をしなければいけない試験内容が組み込まれ、採点時も重要視されるようになりました。

今回は、採用試験を担当していた教員の私が今年度に行われる採用試験の主題予測をしていきます。特に面接や小論文では「今の教育」「地域の教育」を問われることが多く、話題になりそうなことを紹介します。ぜひ、採用試験の対策に役立ててくださいね。

今年度の教員採用試験で知っておくべき話題とは?

教員採用試験の問題と言えば、一般的な知識を問う問題と教員の法的な位置づけについて問う専門的な問題、そして、教員として何をしたいかや受験者の思考を問う問題があります。

多くの自治体では2回の試験に分けられており、一次試験では知識、二次試験で思考力や人間性を見られると思っておけばよいです。したがってどんなに知識があっても、今の教育事情や教育の世界で起きる事例に対してどう自分が対応するかという考えをまとめておかないと試験を突破することはできません。今回は、二次試験で問われそうな話を中心にまとめていきます。

①日本版DBSとわいせつ行為防止

2025年度、日本の教育界を一番騒がせた出来事といえば教師によるわいせつ・盗撮事件です。管理職試験でも取り上げられてもよさそうな話題ですが、もちろん採用試験でも取り上げられる可能性は高いでしょう。

公務員には服務規定がありますので、その規定と照らし合わせながら『盗撮事案が相次ぎましたが、盗撮などの犯罪行為をしないようにあなたはどんなことに気を付けますか』『教育公務員として大切にしなければいけないことは何でしょうか』という質問が飛んでくる可能性があります。不正解がない質問に見えますが、規律や法律を守るために、受験者自身が何を意識しているのかを答えることができるようにしましょう。

②不登校対策(COCOLOプラン)

教育課題といえば「不登校」も深刻な問題です。不登校の児童生徒数は年々増え続けており、どのように対処していくのかが学校の大きな課題です。文部科学省も令和5年に「COCOLOプラン」を打ち出し、学校の不登校への向き合い方に1つの指針が出されました。

そこで、試験では不登校対策についてどのように取り組むのかを聞いてくることも考えられます。ここでは、若い・経験のない人だからこその柔軟なアイディアを出したいところですが、それだけではいけません。「根拠」に基づいた意見を言うことができるかどうかもポイントです。

例えば、「COCOLOプランに書かれていることを参考にして話す」「教育実習や学生チューターの経験を基に話す」このように具体的であり、根拠のある話をできるかどうかは、幅広い知識を持っていないとできませんので、国や自治体から出ている指針には目を通しておきましょう。

②給特法改正と働き方改革

「働き方改革」の話も忘れてはいけません。年間の残業上限が360時間以内、月の平均30時間以内という国の指針を達成するために、個人としてどのような取り組みをしていくのか。管理職試験でもよく出てくる問題ですが、組織をマネジメントする管理職と初任者への質問は大きく異なります。

仕事を効率よく進めていく、どんな自分のライフスタイルを作っていきたいと考えているのかを話すことができるようにしておきましょう。給特法の改正内容と国が教員の働き方改革をどのように進めようとしているのか、数値目標はしっかりと覚えておくべき内容です。

③地域特有の課題

採用試験で、法律や指針について勉強しようとすると、文部科学省から出ているものに注目しがちですが、教員採用試験を受けるのは「地方自治体」です。都道府県の教育委員会では、国からの指針を受けて、地域の実情に応じた教育プランを策定しています。

例えば東京都の場合

①令和7年度の重点事項(東京都教育ビジョン×令和7年度予算)

②未来の東京を担う子供たちの声

③『Our Vision プロジェクト』~東京都教育ビジョン(第5次)の取組を紹介します!

この3つが東京都教育委員会の公式ウェブサイトで示されています。

ここでは、東京都として「どんな子どもを育てたいのか」「どんな教育をやりたいのか」が書かれています。学校教育は、文部科学省が全体的な指示は出すものの、地域の実態に応じて変更することができます。

 東京都であれば

・都立高での新たな教育へ取り組みの開始方針

・デジタルを活用した学び

など大きく5つの柱が示されています。

教育課題は地域によって違い、「学力向上」「地域活用」など重点目標も違います。目標が違えば、求められる人材も変わってくるので、本来であれば『受験者が各自治体の教育目標を見て、自分が求められているところを受験する』という流れが自治体側の思っているところです。

しかし、実際の受験者は住んでいる、または近隣自治体だからという理由で受験する人も多いのではないでしょうか。採用側が求めている人物像や教育ビジョンは、受験する予定の自治体の教育委員会ウェブサイトに掲載されているので、受験前に何を目指しているのか目を通しておきましょう。

④危機管理・児童生徒への対応(SNS・ネットトラブル)

東日本大震災や熊本地震などをきっかけに地震発生時の危機管理安全管理が見直されました。また、登下校中に児童が行方不明になる、SNS上での誹謗中傷などのトラブルといったことも頻繁に起きています。

そこで、実際にこうした事例が起きたときに「担任としてどう対応するのか」、「まずは何にするのか」ということを自分なりに提案ができるようにしておけばよいでしょう。

経験が少ない受験者がベストな回答を出すことは難しいと思います。しかし、面接官もそのことはわかっています。それよりも、何も考えていないのではなく「自分としてのプランニングができるか」、「判断するときには個人だけでなく周囲の方の意見を取り入れながら判断することができるのか」こうした点を評価されますので、質問されても大丈夫なように準備しておきましょう。

面接対策!具体的なエピソードを入れよう

面接では、答えを出すときのポイントとして、

・教育実習や学生ボランティアなど実体験を元にしているかどうか

・自分の考えが法的な位置づけの中に収まっているかどうか

・自分ならどのような方法をとるのか

こうした点を面接官や小論文の審査官は見ています。受験生は、これまでの学校へ訪問した経験実際に対応を見たシーンなどをまとめておいて試験に臨むのもよいでしょう。

「人間性」「社会性」をアピールして採用を勝ち取ろう!

教員採用試験の倍率が下がっているといっても、基準に満たないような人は採用されません。かつては一次試験で学力の振り分けをして、2次試験で「人間性」を確認する方法が主流でしたが、最近は1次試験の段階から面接や小論文を入れる自治体も増えています。それだけ、人間性を重視した採用をしている特徴であり、指導力よりも社会性、協調性が重視されるようになってきたことがわかります。学生時代や講師経験の幅広い「経験」から得られたことを教育にどう還元するのかを意識して受験に臨むと良い結果を得ることができますよ。

参考文献:「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」,https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-cc.pdf,(参照 2026-4-15)

参考文献:令和7年度の重点事項(東京都教育ビジョン×令和7年度予算),東京都教育委員会,https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/2025-03-28-144912-554,(参照 2026-4-15)

参考文献:未来の東京を担う子供たちの声、教員たちの今,東京都教育委員会,https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kyoiku/2025-03-31-171245-414(参照 2026-4-15)

参考文献:『Our Vision プロジェクト』~東京都教育ビジョン(第5次)の取組を紹介します!~,東京都教育委員会,https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/about/action_and_budget/action/vision/ourvision,(参照 2026-4-15)

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