【確認必須】学習指導案の書き方

黒板と前に立つ男性

学習指導案とは

学習指導案とは、それぞれの授業ごとの、具体的で詳細な指導計画のことです。授業を行う学級の子供達の実態を考慮して、教員の支援の内容や学習活動、評価項目を記載した、いわば設計図です。
学習指導案は、授業の位置づけを把握し、質を高め、子供達に学力を身に付けさせる上で大切であると言えます。また、学習指導案があると、後から授業の振り返りができ、研究のための材料となります。

教員を目指す人なら、誰でも一度は学習指導案を書いたことがあると思いますし、教育実習中の人は毎日悩みながら作成をしていることでしょう。みなさんの想像通り、学習指導案は授業を行う教員である以上、切っても切れない存在です。苦手意識がある人もいるかもしれませんが、ここではその書き方について詳しく説明していきます。ポイントさえ押さえれば、しっかりとした学習指導案を作成することができます。

必要項目の紹介

まずは、学習指導案に記載するべき必要項目の説明です。

①タイトル

第何学年の、何の教科であるかを記載します。

②指導者

学校名と、自分の名前、ティームチーチング等で教員が2名いる場合、学級に副担任がいる場合などは、その人の名前も記載します。

③日時

何年、何月、何日、何曜日、何時間目(何時から何時まで)を記載します。時間割が変則の場合もよくあるので、間違えないようにしましょう。

④対象学級

何年何組、学級人数を記載します。

⑤場所

授業を行う場所を記載します。教室や、運動場、音楽室などです。

⑥学級観、実態

クラスの雰囲気や、今できること、できつつあること、努力が必要なこと、授業に取り組む姿勢などを記載します。

⑦単元名

どの単元を行うのか記載します。単元の中に含まれる教材の題名を、教材名といいます。混同しないようにしましょう。学習指導要領を根拠に、その内容を具体化していきます。

⑧単元目標

単元を通して身に付けさせたい力を記載します。⑨の単元の評価規準とリンクする部分がでてきます。国立教育政策研究所の資料を参考にしましょう。

⑨単元の評価基規準

⑧がどの程度身についているか、評価をするための規準を、指導要録に示された各教科の文言で記載します。評価の観点は、①関心意欲態度、②思考判断表現、③技能、④知識理解の4つの観点に分けられていましたが、新学習指導要領から、①知識技能、②思考判断表現、③主体的に取り組む態度と改められています。

⑩単元指導計画

単元全体で何時間完了なのか、本時は単元の何時間目にあたるのか記載します。

⑪本時の目標

単元を細分化し、本時の目標を記載します。単元指導計画と照らし合わせて決定しましょう。

⑫本時の指導計画

時間、指導過程、子供達の学習活動、教師の活動及び指導上の留意点、評価規準、評価方法を記載します。

⑬準備物

授業中に使用する物を記載します。

⑭配置図

教室の机の配置図などを記載します。

⑮板書計画

黒板、ホワイトボードのどこに、何を、どれくらいの大きさで書くのか記載します。おおよそ、小中学校では、一時間に一枚の板書が理想的と言われています。また、授業の最初に「めあて」、最後に「まとめ」を記載することも推奨されています。

書くときのポイント

ここでは、学習指導案の核となる、本時の指導計画について書くときのポイントについて紹介します。

①時間

ここでは、大きく「導入」、「展開①」、「展開②」、「まとめ」と4つに分けると時間配分がうまくできます。どんなに授業内容がてんこもりであっても、やみくもに授業を行うのでは無く、フルコースの料理のように計画的に行いましょう。授業内で最も時間を使うのは展開①②です。雑談が多くて導入からなかなか進められなかった、ということにならないようにしましょう。

②指導過程

記載しない場合もありますし、(1)の時間と併せて記載する方法もあります。記載する場合は、子供達の立場に立って、「ウォーミングアップ」「習得する」「活用する」など、その学習の流れを端的に表す言葉を書き入れましょう。

③子供達の学習活動

ここは、子供達の立場に立って記載します。つまり、「音読させる」ではなく、「音読する」。「気付かせる」ではなく、「気付く」といった具合です。「単元目標」や「本時の目標」をそのまま当てはめたような表現はできるだけ避けて、子供達が実際に行う学習活動に即した表現にしましょう。

④教師の活動及び指導上の留意点

ここは、教員の立場に立って記載します。つまり、「音読する」ではなく、「音読させる」。「気付く」ではなく、「気付かせる」といった具合です。その時間の目標を達成するための手段や指導の工夫点、ポイントなど、が具体的に想起できるような表現にしましょう。見せる資料や、発問内容などもここに記しておきましょう。個に応じた配慮のある指導についても、ここで触れておくと良いでしょう。通常の学級にも、支援を必要とする子供もいます。学習指導案を作成する時点でそのことを考慮することは、集団の中に溺れさせないための工夫の一つです。また、T2、T3などの複数で授業を行う場合も、役割を明示しておくとスムーズです。さらに、体育や理科など、道具を扱う場合は、安全上の留意点や準備片付けの指示の仕方も記載するべきです。

⑤評価規準

本時の目標と照らし合わせて、子供達がどのような学習状況であれば、その時間の目標が達成できたと判断するのか、その根拠となる規準を評価の観点と併せて記載します。十分に満足できる、もしくは、努力を要する、それぞれの立場の子供達への手だてを記載します。

⑥評価方法

ノートを机間巡視するのか、小テストを行うのか、グループワークの発言内容で評価をするのか、その方法を記載しましょう。学級全員の活動全てを評価することはとてもできません。重点的に評価する活動や、客観的に確実に評価ができる活動を決めておくことも大切です。

参考資料の紹介

学習指導案を作成する際の参考資料を、文部科学省のホームページを筆頭にいくつか紹介します。他にも、各自治体のホームページに例が載っていたり、学校毎にテンプレートを用意してあったりする場合もあります。また、教員になってからは、研修や研究発表などで他人の学習指導案を手に取る機会もあります。慣れるまでは、教科や学年に関わらずたくさんの学習指導案を読み、書き方をマスターできるようにしましょう。

○「授業改善のための参考資料(教職員向け)」

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/index.htm

○「単元別学習指導案」

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gaikokugo/jissen/1307738.htm

○「国立教育政策研究所HP」

https://www.nier.go.jp/index.html

○『アクティブ・ラーニング対応 わかる! 書ける!  授業改善のための学習指導案 教育実習・研究授業に役立つ』

藤村裕一(著) ジェムハウス

○『板書 きれいで読みやすい字を書くコツ』

樋口咲子(著) ナツメ社

その

学習指導案が書ける、ということは、1時間授業のイメージがしっかりとできて、具体化できるということです。イメージとは、子供達の反応の様子や質問内容、自分が話す言葉など細部にわたって想像力を働かせることです。これができるようになると、一貫した授業展開ができ、進行もスムーズになり、格段に質の高い授業ができるようになります。そのためには、日々の教材研究が欠かせません。自分の中に、子供達に教えられるだけの豊富な知識量がないと、ただ教科書を読むだけの退屈な授業になってしまいます。

授業が楽しいと、自然と子供達との信頼関係も生まれます。なぜなら、子供達が学校にいる内、授業の時間が最も長いのですから。学習指導案を作成している時から、子供達のことを考えられる、ステキな教員を目指しましょう。

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