反抗的な子どもへの正しい対処法とは? 学級崩壊を防ぐ3つのキーワード

反抗的な子どもへの対応策として最初に取り組むべきことは「子どもの本音を引き出す手立て」を打つことです。今回は、教員を目指す学生からのリクエストにお答えして「生徒から反発された時の対処法」についてベテラン教員がアドバイスしていきます。学級崩壊を防ぐために大切なことは「本音を聞き出す」、「子ども主導」、「継続」の3つです。

ライター

emikyon

・元公立学校教員

・教育委員会にて勤務

・eduloライター歴2年

子どもが反抗的になってしまった理由とは?

子どもからの急に反抗的な態度をとられてしまった場合には、なぜ教員に対して反発してしまうのか知ることが大切です。

長年教員をしている私がこれまで聞いた理由として代表的なものは下記の5つです。

①担任の先生と相性が悪い

②そもそも学校が好きではない

③学校内での人間関係に悩んでいる

④家庭でのストレスが教員に向かっている

⑤本人の発達に起因するものである

①の「相性が悪い」が原因の場合は、私たち教員も人間なので多くの子どもの中の1人に先生と合わないと思われてしまうことも悲しいことですがあり得ます。そのように思ったきっかけを聞き、何かしら改善したり、保護者と連携するなければいけませんが、②~⑤に該当するのであれば話が変わります。つまり生徒からの反抗は、必ずしも担任への不満が原因であると考えなくても良いのです。

ひとりで背負い込まない!

子どもたちに反抗的な態度を取る理由を聞き出す際にも、担任の教員が一人で行う必要はありません。1人で抱え込まず、管理職、養護教諭、中学校であれば教科担任や部活動顧問など、子どもとつながりのある教員に協力してもらいましょう。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを利用するのも一つの手です。

小学校の高学年や中学生など学年が上がれば上がるほど、普段よく接している担任教員にはなかなか本音を打ち明けにくいものです。さまざまな角度から子どもにアプローチをしていき、反発の原因になる本音(原因)を引き出すようにしましょう。

自分に対して冷静になり客観的に見つめ直そう!

これまで、②〜⑤に該当する場合について話してきましたが、子どもから反発をされてしまうケースでは、残念ながら①のように「教員側にも原因がある」こともあります。原因を見つけるためにも自分自身を客観的に見つめなおす必要があります。

まずは、教員として一番大切な授業のやり方はよいか、子どもに対する接し方はよいか、声掛けで不適切な言葉を使っていないかどうかを一度見直しましょう。授業のビデオを撮影して自分自身で振り返る以外にも管理職や教務主任に事情や悩みを話して、授業や普段を観察してもらい診断してもらうのも1つの方法です。他の先生にばれると恥ずかしいのであれば、そのことも併せて相談しておけばきっと解決策を教えてくれるでしょう。

ルールの線引きをしっかりしよう!

子どもから反抗される教員のクラスの特徴としてよくあるのが先生と子どもの関係や学級内のルールの線引きが曖昧になっていることがあります。例えば、特定の子どもだけが許されているようなルールはないでしょうか。子どもに対して配慮をすることも担任としては大切なことです。

しかし、それが他の子どもにとって不満となっていることもあります。子ども側からしてみると「Aくんは許されるのに ぼくがやると怒られる」。こんな心理状態になっている子は反抗してしまってもおかしくはありません。

子どもの持っている不満感が人間関係、学級内のきまりにあるのであれば、不満を抱えている子どもに対して納得できる説明をする必要があります。一番いけないのは「あの子は特別だから・・・」というような言い方をしてしまうことです。これでは子どもは納得できません。子どもが納得できるまで話を聞くことが子どもからの反発を解決していく第一歩になります。

先を見越した指導で子ども誘導しよう!

反抗する子どもは何らかのストレスを抱えているケースも多いです。ストレスの要因は学校や家庭など様々ですが、1つ分かることは何らかの抑圧を受けているため、反動が反発となって現れているということです。そこで、できるだけ子ども自身が考えて動くことができるようにする、抑圧して何かをさせるのではなく、自分で動くことができるようにさせるのも1つの方法です。

ただし、子どもをただ自由にさせることとは、違うので勘違いしないようにしましょう。子どもの自主性を育てていくには、活動や行動に対するゴール目標を定めることが必要です。そして、ゴールを達成するためにどうすればよいのかを子どもに考えさせるようにすれば大きくずれて行くことはありません。

子どもによっては手順の作成に時間がかかったり、最短コースでゴールに向かうことができない子どもがいたりと教員がイライラしてしまう場面もあるかもしれません。しかし、ここで教員が支援をしてしまうと「指示」となってしまい抑圧することになってしまいます。アドバイザーに徹し、助言を求められたらする程度にしておくと子どもの成長に繋がります。最初はどうしても時間がかかりますが、何度も同じようなことをすることで、子どもたちが最適解を見つけるようになるので、信じて見守ることが大切です。

ルールは継続しよう

子どもが反発した、学級崩壊した、こうしたときにいろいろな手立てを打って回復させるのですが、少し改善すると、これまでしっかりとしてきたルールやきまりが緩んでしまう教員がいます。これは、絶対にいけません。ちょっとした例外を作ったことで、また反発が起こり、今度は前回よりも大きなものになってしまうのを何度も見てきました。

一度始めたことは守らせることも大切ですが、教員側がしっかりと継続していくことも大切になります。落ち着いている学級や子どもたちは、一定の決まりの中で考え、行動しています。これを緩めたり、例外を作るというちょっとしたほころびを見せるだけで一気に崩壊します。継続するのは簡単そうですが、一番難しいことであるという意識を教員側がもっているだけでも、教員の行動や意識が変わるので知っておきましょう。

「子どもに考えさせる指導」に主眼を置こう

子どもたちから反抗されてしまっても、担任の教員のあなたのせいと決めつけてはいけません。1人で抱え込まず、子どもとつながりのある教員に協力してもらいましょう。

また、子どもから予期せぬ反発をされてしまい、それを押さえつけようという思考に入る教員もいますが、一時的な効果しかなく、その場しのぎになってしまいよい結果にはなりません。それよりも、子どもが考えて動くことができるように、その場を設定し、指導していくほうがよほど効果があります。学習指導要領でも「主体的・対話的」という言葉があります。子どもが主体的になって自分の課題、自分が反発をしている要因に気づかせるということが大切です。

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