私立と公立では教員採用のシステムが違うため、公立の教員採用試験の対策が私立の対策と共通しているとは限りません。
この記事では、あまり情報が出回っていない私学教員採用筆記試験の対策について解説します。
私立学校の教員として働くには
アプローチ別に筆記試験の対策方法を見ていきましょう。
そもそも、私立学校の教員として働くためにはどのようなアプローチがあるかご存知でしょうか。
先ほども述べたように、私立学校は公立学校と違って学校ごとに採用を行っています。
そのため、採用の基準も求人時期も学校によって異なります。
そんな私立学校の採用試験には、主に下記の2つのアプローチがあります。
- 各学校が出している求人(4〜7月がピーク)に自分自身で応募する
- 協会主催の私学教員適性検査を受け、学校からのオファーを待つ
詳しく見ていきましょう。
各学校が出している求人(4〜7月がピーク)に自分自身で応募する
当然ですが、自分自身で私立学校の求人に応募するためには、まず求人を見つけられなければ始まりません。
したがって、各学校のHP等で最新の採用情報をこまめにチェックしておきましょう。
私学教員採用の筆記試験対策
筆記試験では、担当する教科の知識が大切になります。
それを踏まえた上で、”自分はどのくらいのレベルの知識を持っているのか”と”学校側はどのくらいのレベルの知識を求めてきているのか”を理解しておくことはとても重要です。
これを知っておくことで、教員志望者と採用担当者間でのミスマッチを防ぐことができ、結果的に両者の時間を節約することに繋がります。
“自分はどのくらいのレベルの知識を持っているのか”は自己分析で把握します。
”学校側はどのくらいのレベルの知識を求めてきているのか”を知るためには、求人票と各私立学校のHP等、既出の情報から推測する方法があります。
具体的には、各私立学校のHPで過去の進路実績やカリキュラム等を確認して、”この学校の生徒に授業をするにはどのくらいの知識が必要そうか”を見分けます。
例えば、応募を考えている私立学校の主な進路実績が早慶東大等であれば、採用されるには早慶東大レベルの知識が求められると推測できます。
協会主催の私学教員適性検査を受け、学校からのオファーを待つ
私学教員適性検査とは、一部の自治体で実施されている協会主催の試験です。
私立中学・高等学校勤務を希望している人向けに行われます。
私学教員適性検査の対策
検査は主に、「教職教養」「専門科目」があります。
”教職教養”では、毎年小論文が出題されています。
一般常識や時事問題については一通りさらっておきましょう。
また、教育心理学や教育原理等のアカデミックな内容も出題されます。
”専門科目”では、およそ大学入試以上の知識が求められます。
私学適性検査には合否があるわけではなく、検査の内容をそれぞれAからDの四段階で判定します。
この結果を参考に、私立学校は教員志望者に次の選考へのオファーを出す流れになっています。
私立学校教員としてのキャリアを積み上げよう
私立学校は公立学校と違って基本的に異動はありません。
同じ学校に数十年と勤務し続けられる私立学校の教員は、自身のキャリア形成がしやすくなっています。
だからこそ、私学採用試験を受ける際には、過去問や他の教員志望者の体験談ばかりを参考にするのではなく、「建学の精神」「校風」「教育方針」等の学校についてをしっかりと理解しておくことが重要になります。
学校はどんな目標を掲げていて、どんな人物の育成を目指しているのか。
目の前にある試験をパスすることだけでなく、その先まで見据えられているということが、他の教員志望者との差を作り出す要因になります。