教員採用試験受験者必見 2022年話題の教育時事問題と答え方のポイント

 2022年の教員採用試験は、どの校種(小学校・中学校・高等学校)においても全国的に倍率は下がっている傾向があり、合格しやすくなっています。一方で、小論文や面接を実施するところが増えており、これまでに以上に知識だけでなく、自分の考えや意見述べることが求められています。教育業界への理解や、自分のスキルのアピールになる答え方を学んでいきましょう。今回は、今年話題になりそうな教育関係の時事問題5つと模範回答を紹介します。

危機管理に関する話題

 毎年多くの場所で出題されている危機管理に関する話題は、今年も出題される可能性があります。毎年のように子どもの交通事故や水難事故はありますし、大雨や地震といった自然災害も各地で頻発しています。そこで出題されやすいのが「危機に直面したとき、教師としてどのように対応するか」という質問です。例としては「下校をする際に大雨となった、この時どのように行動するか」という問題になります。回答で必ず使いたい言葉が「命を最優先に」ということです。ただし、命を守るのは子どもだけではありません、「保護者や同僚など全ての人の命を守ることが最優先」になります。

 先ほどの例の答えとしては、「下校を中断し、児童生徒は校内の安全な個所で待機させる。保護者に対しては心配させないように下校が遅れることをメールやウェブサイトで連絡し、周辺の安全が確保された後に児童生徒を下校させるか、保護者による引き取り下校を実施する」などが模範解答として挙げられます。さらに、普段からこうした事態を想定した避難訓練や保護者を巻き込んだ引き取り下校を実施し、災害に対する意識を高めておくと話すことができればよいですね。

いじめ問題に関する話題

 全国的に喫緊の課題になって来ているのが「いじめ」に関する問題です。ここ1年間だけ見てもいじめに起因する出来事は何度も報道をされてきました。面接試験や小論文でもいじめ問題をどう解決していくのか、また、実際にあった事例を使って対応策を考えさせる質問は出てもおかしくはありません。

 では、こうした問題に対してはどのように対応すればよいのか。いじめの場合、まずは情報の収集と整理が大切になります。例えば、ニュースで話題になっているものでも、断片的な切り取りではないか、被害者・加害者の両面から問題をとらえているのかという冷静な判断力が求められます。これは、教師として現場に出ても一緒です。いじめという問題をしっかりとみて、両者の思いを聞きながら対応する。時には周囲の保護者を巻き込んで解決する判断力が必要になります。また、このような「いじめが起こらない学級づくり」も大切です。「いじめは許さない」と教師が子どもの前で範を示し、常に予防の啓発をしていくことが大切になります。

不登校問題に関する話題

 いじめと並んで学校で問題になっているものに「不登校」があります。年々不登校児童は増えており、不登校児童生徒をサポートする取り組みも盛んにおこなわれています。採用試験でも不登校問題についてどのように考えているのかを問うことはよくあることです。

 不登校に関する問題の答えとしては、不登校にならないように対すると取り組みと不登校になった後の取り組みに分けて考えるのが良いです。不登校にならないように「人間関係作りを大切にした学級運営」や「子どもの変化を見逃さない相談活動」が大切になります。また、不登校になった場合には、「学校との関係を切らせない家庭との関係作り」「子どもが学校に戻ることができるようにするための支援体制作り」がポイントになります。

 採用試験であれば、担任として不登校を未然に防止する、不登校になってしまったらどのように対応するのかを視点に考えをまとめることができるようにしておきましょう。また、各自治体で不登校に対する支援組織やサポートセンターを開設していることが多いです。自分が受けようとしている自治体ではどのような取り組みがされているのか知っておくことも大切です。

思考力・表現力を向上させる取り組みに関する話題

 4つ目は、学習指導に関する問題で、近年注目されている「思考力・表現力を向上させる」学習方法に関する質問です。従来の教え込んでいく学習ではなく、最近は思考力・表現力を問うような発問や問題解決型学習方法をしていくことが求められています。採用試験を受ける人にとって思考力・表現力を向上させるといってもどのようにおこなえばよいのかイメージがつかないかもしれません。

 最近の教育現場で盛んにおこなわれているのが、過程を大切にする学び方です。これまでであれば、子どもが解く問題を先生が与え、何度も繰り返すことで技能を身に付けさせました。しかし最近では、思考力を高めるため、課題を自分たちで考え解決していくような取り組みが行われています。GIGAスクール構想で、一人一台端末が導入されたことにより「自分課題を見つけ、解決する」ということが容易になりました。こうした活動を通して、自ら課題を見つけ、解決していく部分を評価する学習が増えています。また、表現力に関しては「in put」と「out put」の使い分けが盛んにおこなわれています。従来の学習ではin putをすることが中心でしたが、学んだことをout putする場面を作り、表現力を高める学びが行われるようになりました。プレゼンテーションや自作の動画撮影など、こうした活動にもICT機器の有効活用が行われています。

職場のコミュニケーション能力向上に関する話題

 最後は、職場のコミュニケーション能力の向上に関する話題です。学校の先生の仕事は一人で行っていく場面と学年や学校などのチームとして取り組んでいく場面があります。子どもたちが安心して学校に通うことができるようにするためには、迎える先生たちが笑顔で過ごしていなければいけません。最近は、教員の働き方もマスコミでよく取り上げられるようになり、働き方の改革も喫緊の課題となっています。働き方改革を進めていくためには、仕事が円滑に流れていく仕組み作りと先生同士のコミュニケーション能力が大切になります。

 教育現場は古い考え方が残っているところも多く、それが円滑なコミュニケーションを妨げてしまっていることもあります。どんなものを使えば現場の意識改革ができるでしょうか。ここでは、ぜひ若い世代しか知らないコミュニケーションツールを面接官にアピールしてください。

教員採用試験は最新のニュースを知り答えられるように

 教員採用試験では、最新の教育に関する話題は必ず問われるといってもよいです。ここ最近でニュースになったようなことは必ずチェックしておきましょう。ニュースを見るときには断片的な情報だけで知識を形成するのではなく、複数の情報を見て判断するようにしましょう。採用試験の面接官は、教育の時事に興味があるのかを聞いているだけでなく、受験者がどのように解釈しているのかという点も見ていることを知っておくことが重要です。

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