教員採用試験に向けて最初にやるべきこと

この記事では、教員採用試験を受験する際にまず始めにやるべきことをご紹介していきます。

受験する自治体を決める

教員採用試験を受験すると決めたらまず、どこの自治体を受験するか決めましょう。
これからまず受験する自治体を決めるべき3つの理由をご紹介します。

1.市で採用試験を行っている自治体もある

47都道府県の他に、市で採用試験を行っている自治体もあります。
札幌市、川崎市、堺市、北九州市、熊本市など約20の市で独自の採用試験を行っています。
政令指定都市だから採用試験がある、政令指定都市ではないから採用試験がない、という訳ではないので注意が必要です。

2.採用試験は複数受験が可能

例外もありますが、採用試験の日程は北に位置する自治体が早く、南に位置する自治体は遅いという傾向があります。
一次試験の日程を比較すると、北海道は6月下旬、東京都は7月中旬、沖縄県は7月下旬という年が多いようです。
つまり、組み合わせ方によっては北から南へというように複数の自治体を受験することができるということです。
しかし、場慣れするという意味で複数受験を試みることは良いかもしれませんが、とにかく数多く受験すればいいということではありません。
「2次試験の日程が重なってしまった」「面接で複数受験の理由を尋ねられた時に返答に困った」等のデメリットも考えられるので、よく考える必要があります。

3.自治体によって教育理念や教育計画が異なる

受験する自治体を決める参考資料として、どのような理念を持って教育を行うのか事前に知っておく必要があるものの、自分の理想と自治体の目指している方向がかけ離れていて、「こんなはずじゃなかった」と後悔することのないように準備しておくとよいでしょう。

以上、3つの理由から採用試験は単純に自分の住んでいる都道府県で受ければいいという訳ではなく、自分に最も適している自治体を探すことが重要だということがご理解いただけたと思います。
しかし、せっかく受験したい自治体を見つけたとしても、「教科や校種によって来年度の採用は無い」ということも多々あります。
様々な視点を考慮して、自分に最も適している自治体を見つけましょう。

傾向を知る

受験する自治体が決まったら、早速、採用試験対策を始めます。
採用試験では、「一般・教職・専門教養、小論文、実技、集団討論・面接、模擬授業」等、様々な知識や力、資質が問われます。
対策したい事柄が多くあることに加え、参考書や問題集も様々な種類が販売されているので、何から手を付けたら良いのか迷ってしまいます。
その場合は過去問を解くことがオススメです。次に過去問を解く際の注意点を説明していきます。

どれぐらい過去問を解くべきか・進め方

過去問を解く量は5年分を目安にしましょう。
解く量が少なすぎると傾向が掴めず、解く量が多すぎると学習指導要領の改訂や法律制度の改定によりる現在の問題とのミスマッチが生まれる可能性があるので気を付けましょう。

過去問を進めていく際には分からなくてもいいと割り切りましょう。
まだ何も勉強をしていないのであれば分からなくて当然です。
その場合は、答え合わせをするときに「どの分野からの出題なのか」印を付けていくと分析がしやすくなります。
例えば、教職教養であれば、学習指導要領→(学指)、教育時事問題→(時事)、教育法規→(法)など。一般教養であれば、理科自然科学→(自然)、英語長文読解→(長文)、国語漢字の読み書き→(漢字)等。
また、選択式なのか、論述式なのかもチェックをしておきましょう。
必ず自治体毎に傾向があるはずです。

また、過去問の入手の仕方は、自治体毎で一冊になった本が模範解答と一緒に販売されているので、それを使用すると良いでしょう。

以上の方法で、出題内容や出題傾向を掴み、分析を行います。
併せて、試験時間や問題量、志願書の内容なども把握しておくと、ライバルよりも一歩リードした対策ができます。

問題を繰り返し解く

過去問を解いて傾向を掴んだら、頻出分野の問題を繰り返し解きます。

その際、「受験する自治体の傾向に沿って作られた参考書、問題集を購入する」か「全国の問題が凝縮された参考書、問題集を購入する」方法のどちらかがオススメです。

どちらにもメリットとデメリットはありますが、大切なことは、傾向に沿った問題だけを自分で取捨選択するということです。
自治体によっては、教育時事問題に関しては出題していない、中高で同じ問題が出題される、など癖があります。
時間を無駄にしないように、傾向に沿った問題を繰り返し解きましょう。
大学生であれば、教育実習中は全く勉強できず、講師の方は仕事と勉強の両立は大変難しいと思います。
ですから、解いた問題は追加で調べたことや間違えやすいポイントと一緒にノートにまとめておくと、その1冊だけで自分だけの参考書を完成できます。

多くの情報を得る

情報は多いに越したことはないので、次に「これだけは絶対押さえておきたい情報元」について紹介します。

文部科学省のホームページ

話題になったトピックも出題されることがあるので、告示・通達には目を通しておく必要があるでしょう。また、統計情報から、学校教育に関する統計調査が出題されることもあります。
新しいトピックはないかこまめにチェックするといいでしょう。
ちなみに近年では、いじめ・体罰・インクルーシブ教育・学力調査・キャリア教育などが注目されています。

自治体のホームページ

教育振興基本計画やいじめ防止基本方針は、自治体によって作成されているので、文部科学省のホームページでは確認できません。
自治体独自の取り組みやキーワードがある場合は、尚更問われる可能性があるので注意が必要です。

その他のオススメ情報元

時事通信出版局の「月刊 教員養成セミナー」、協同出版の「月刊誌 教職課程」という雑誌もオススメです。
採用試験で問われやすい問題や、演習問題、対策の仕方、現役教員による体験談など、正確な情報を得ることができる総合雑誌です。
採用試験対策だけでなく、教員としての資質能力を身に付けることも期待できます。

そして可能であれば、自分が受験する自治体の受験合格者と繋がりを持ちましょう。
やはり経験者の生の声は大変参考になります。
「試験会場に時計が無い」「実は上履きと体育館シューズが必要だった」「傘立てが無いので折りたたみ傘の方が都合良い」等、試験問題以外のところでつまずくことは多いものです。
余計な心配をしなくて済むように可能な限り多くの情報を得ましょう。
また、実際にその人が教壇に立っている場合は話を聞くだけで現場のリアルな様子が想像できるので、面接での受け答えにも生きてくるでしょう。

まとめ

教員採用試験は特別なものではなく、多くの試験や資格、他の採用試験と対策の方法はそれほど変わりません。
他の記事でも教員採用試験対策の記事を出していますので、ぜひご確認ください。

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