【予備校講師を参考に】授業の質を上げる方法

「良い授業」はいきなりできるようになるものではなく、日々改善に向けた試行錯誤を繰り返し続けた結果実現できます。

この記事では、予備校講師の例を参考に授業の質を上げる方法を紹介します。

予備校講師の授業の準備

教師にとって「分かりやすく教える」ということはとても大切です。
ここでは、分かりやすく教えるための準備=自己研鑽についてご紹介していきます。

はじめに、教え方が上手な人は前提の確認語彙の選択の2つができています。
これを教師に当てはめて考えてみると、「学生の知識や理解度を推測し、正確に伝わる言葉を都度選択することができる」ことが「分かりやすく教える」ということです。

そしてそれらを授業で生徒毎にできるようにするためには、自らの経験・知識を蓄えておくことを授業の準備としてやっておくことが重要です。
それでは、実際に予備校講師が行っている2つの授業の準備法を見てみましょう。

【1】参考書を用いて学習する

参考書は正確な情報が多くつまった良質な書籍です。
そのため効率的に正確な知識を蓄えることができます。
実際に、現役の予備校講師も書店へ定期的に通ったり、
電子書籍のサンプルを見るなど自分にあった参考書を探している人が多いです。

【2】学校の定期試験や教科書を確認する

学校の定期試験には、学校教員の長所が色濃く出てきます。
定期試験の確認をすることで、今まで考えたこともなかった視点からの
出題意図等を知ることができます。
さらに、今まで以上に知識の増加・語彙の選択力の向上につながります。
それが入学試験に携わる先生の定期試験であれば、
その学校に対する理解が高まる副次的効果も期待できます。


また、教科書を確認することでその生徒の学校のレベルが推測可能です。
その結果、その学生のある程度の学力が分かり、どのような前提で授業を進めていけば良いかが把握できます。

このように、授業の準備段階で学生一人一人の成績を確認し、
講義中どこまで話すべきか、上位・下位者別の対応はどうするか等を事前に考えておきます。
さらに、個人個人に学習の進捗状況をヒアリングすることで、伝え方がさらに深まっていきます。
ここの分析次第で今後の授業の質がガラリと変わっていきます。

そして、分析を終えたら70%くらいの力で実際に話す内容や板書する内容を考え、準備していきます。
ある程度準備が終わったら、2.3日寝かせて改めて確認してみましょう
そうすることで客観的に内容を確認することができ、最終チェックが捗ります。

予備校講師の授業本番編

講義の最初と最後で第一目標を伝える

学生が嫌う講師の特徴として、「面白くない」「話の意味が分からない」といった意見が多くあります。
これは学生本人の能力もあるものの、何も知識がないところからゴールに向けた筋道を立てられないためです。
これに対して、予備校講師はどの授業でも、最初と最後に目標を定めて学生に提示します。
授業もスポーツ等と同じで、最初に目標を立てることが挫折や飽きを防ぐ要因となります。

その場で感じたことや学生の様子をフィードバックする

授業をしていると学生が板書を写すのに差がでてきます。
そのとき遅い学生に授業スピードを合わせるとリズムが崩れ、満足な授業ができなくなります。
これを防ぐのに有効なのは、クラスの中で平均的なスピードで授業を受けている学生の様子をフィードバックすることです。
フィードバックによって、スピードの遅い学生が感化され、
リズムが一定になる効果が期待できます。
また、授業中に感じたことを脚色なく素直に伝えると、
授業の雰囲気が良くなる場合もあります。
例えば、「今日はいつもより皆と目が合いますね、素晴らしい集中力です」とか「ちょっと話が長くなって集中力落ちてきたね」といった具合です。

メモを残して授業のマンネリ化を防止する

授業している際に感じるクラスの雰囲気の変化や、眠そうにしている学生がいた際には、
付箋などにメモをしておくと、今後の授業にむけた改善点として活かすことができます。
例えば「ここは学生が眠くなった箇所だからディスカッションを入れ、
能動的に参加できるシチュエーションを作ろう」や
「難しく感じている様子だったから、
図を板書してイメージを湧かせてみよう」などの対策ができます。


授業中も学生の立場になって、客観的な視点を忘れないようにしましょう。

データに基づいた結果を話す

人間は客観的なデータに基づいたことに説得力を感じます。
例えば「◯◯大学合格者の8割が実施している勉強法!」と言われたら成績向上につながる勉強法なのかと思わせることができます。
同様に授業中でも、「この記述は◯◯大学で2年に1回のペースで出題されています」「この問題の◯◯大学志望生の正答率は80%であるため必ず解けるようになりましょう」とデータに基づいた結果を話すと授業に深みが増してきます。
ただし、データがあるとはいえ、学生のことを傷つけるような、この問題を解いても無駄で全く意味がない!などの発言は控えましょう。

予備校講師の休み時間・授業後編

学生のニーズを探る

休み時間にまとまった時間があれば、授業に対するフィードバックを積極的に学生からもらうべきです。教師は良かれと思ってやってることも学生にとっては不要なことがあります。
授業スピードや難易度、説明の分かりやすさ など聞けることは多いです。
他人の評価を聞くことは怖いですが、学生のニーズを探ることができる、
貴重な休み時間を有効に使いましょう。

授業の質を上げるには自己研鑽とフィードバックが重要

ここまで予備校講師から授業の質を上げる方法を学んできました。
自分の授業の質を上げるには、働きながらも自己研鑽を怠らないことと、
何より生徒からのフィードバックが重要です。
授業の質をあげるためには努力が不可欠です。


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