校外学習の下見で重要なポイントは? 安全に楽しく成功させよう!

新型コロナウイルスの流行によって中止・縮小されていた行事が、少しずつ復活しつつあります。遠足や修学旅行といった校外学習の機会も戻って来つつありますが、このような行事を成功させる上で欠かせないものが「下見」です。子どもたちが安全に楽しく、校外ならではの学びを得られるよう、教員たちが事前にしっかりと現場を見てこなくてはなりません。

今回は、下見をする上で大切なポイントを紹介していきます。

子ども目線で見ることが大事

教員だけで下見をしに行くと、どうしても大人目線で現場を見てしまいます。“子どものため”の校外学習だという意識を忘れずに下見をするよう心がけてもらいたいです。

  • 大人数を引率することになる
  • 子どもによって運動能力・判断力にばらつきがある

特に、これら2つを念頭に置いておきましょう。

例えば、大人と子どもでは歩くスピードが違います。大人数をトイレに連れていけば終わるまでに時間がかかりますし、信号一つ渡るだけでも大変です。学年や個人差によって、自分で行動の分別がつかない子どももいると思います。現場をあらかじめ訪れ、子どもの目線に立って、余裕のある活動内容や時間を設定しましょう。

危険予知をしっかりとしておく

下見をする上で、「安全な活動をできるかどうか」という視点も欠かせません。学校管理下の活動で「子どもが怪我をする」まして「命を落とす」というようなことはあってはいけません。徒歩で移動をするのであれば「歩道はあるか」「何列であれば歩くことができるか」といったポイントは押さえましょう。

また校外学習に行く際、教育委員会に届けを提出する必要があります。届けには「広域避難場所」と「緊急時に搬送する病院」を表記するケースが多いため、これらも確認しておきましょう。

危険予知で見落としやすいのが「悪天候時の対応」です。下見のときに晴れていれば、悪天候時にどうなるのか想像ができません。しかし、行事当日天気が良いとは限らず、雨天でも決行するケースは多いと思います。

悪天候になれば集合するのも食事をするのも一気に大変になります。どんな天気になっても行動することができるよう先生方で想定をしておきましょう。特に、キャンプや野外教育活動といった海や山で行われる行事の際には、天候判断が生死を分けることにもつながります。

移動中のトイレ対応も意識

下見をする際は現地だけでなく、移動中のことも意識しましょう。そして、特に気をつけなければならないのが「トイレ」です。100人以上の学年単位で移動する場合、これだけの大人数がトイレに行ったときに対応できるのかを下見で確認する必要があります。

【高速バスの場合】

高速道路を利用する場合は、途中のサービスエリアを利用するのが一般的ですが、混雑しやすい人気のサービスエリアを避け、別のサービスエリアを利用するという方法もあります。筆者も下見の際には便器の数を数えて回ったことがありますが、大人数に対応できるトイレというのは少ないことを意識しましょう。

【徒歩で移動する場合】

徒歩移動は、休憩場所の設定が非常に難しいです。公園や公共施設があれば途中でトイレ休憩がしやすいですが、しばらくトイレがなさそうな場合は、「この先はトイレがないから、今のうちにしておこう」と子どもたちにしっかりアナウンスしてください。

【他校との重なりにも注意】

どの学校も似た時期に修学旅行などを計画し、複数の学校が同時に同じ場所に向かうことが多々あります。このため、事前に対策していてもトイレが渋滞してしまう恐れがあります。

行事の重なりを避けるには、当日にどれだけの学校(幼稚園なども含めて)が重なっているのかを確認します。確認方法は施設や公園事務所などに直接問い合わせるのが簡単です。修学旅行やキャンプの場合には、旅行会社が調整をしてくれることもあります。重なりを確認し次第、相手校に連絡を取り時間の調整をします。トイレ対策だけでなく、食事場所や集合場所の時間配分も調整しておくと現地で混乱しにくいです。

行事の目的との合致を確認

下見をする前に、学年の教員間で確認しておきたいのが「行事の目的」です。校外学習や修学旅行を実施する際には必ず目的があります。その目的を達成することができる場所であるのかを確認しましょう。訪問場所のホームページや口コミを調べてイメージを固めるのもよいと思います。

例えばグループでの校外学習を予定している場合、「低学年は限られた範囲内で」「中学年は街中に範囲を広げて」「高学年は活動内容や行き帰りの方法なども自分たちで決めて」といった風に、学年ごとに学習内容を発展させていくことを目的とするのであれば、教員側はそれに合わせたコース設定、下見をする必要があります。これを踏まえ、校内で教員の人手を確保し、当日の配置も決めておきましょう。

下見の前に必ず計画を立てる

たまに「下見をしてから計画を立てる」という人がいますが、「計画してから下見する」という順番を大事にしてもらいたいです。ある程度の計画を立案しておくことで、下見で気付いた課題と照らし合わせ、対策を練ることができるからです。

子どもたちの安全を確保しながら楽しい思い出を作ってもらうためにも、余裕を持って計画を立て、突発的なトラブルにも対応できるよう準備を進めておきましょう。

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