授業の基本は板書から 構造的な板書にする5つのポイント

管理職や教育委員会の人が授業を見るとき、授業の質はどうか見るポイントの1つが「板書」です。
黒板やホワイトボード、最近ではICT機器を利用するなど、様々な方法がありますが、それでも「基本は同じ」です。「授業の達人」と呼ばれているような人は、とても分かりやすい板書を作ります。
では、どんな板書がよいのでしょうか。これから「授業の達人」を目指す若い先生方は、次の5つを意識して作りましょう。

上手な板書の作り方

上手な板書と言っても、先生が満足するような板書を作ってはいけません。何のために板書をするのか。それは、書いていく中で

  • 子どもたちが理解を深めることができるものであること
  • 授業後や家に帰ってから見たときに振り返るができること

この2点が大切なことになります。

いつも書くことを決めておく

板書の1つ目のポイントは技術的なことではなく、癖にすることです。それは「いつも書くことを決めておく」ことです。
例えば、『授業が始まったらすぐに日付を書いて、めあてを書く。めあては青で囲むようにする。』これをパターンにするだけでスムーズに授業を始めることができます。小学校の低学年でも常に書く場所を決めておけば、ノート書き始めることができます。

また、黒板をノートに書くときの「統一感」も大切です。「めあて」は青線で囲む、まとめの部分は赤線で囲む、大切な文字は黄色で書くなど、指導していくうえで子どもが分かりやすいように色分けをすることも構造的な板書づくりになります。決してきれいにしたいからと言って色を使いすぎたり、やたらに写真を貼ったりすることはしないようにしましょう。発達に困難さを抱えている子は、文字や色の情報が多くなると処理しきれなくなり、黒板の内容を理解することができません。ユニバーサルデザインの考え方につながる部分もありますが、構造的な板書ほど、情報が精査されており無駄がありません。また、文字の数が多くなれば、ノートに書き写すのに時間がかかります。 

「めあて」と「まとめ」が連動している

2つ目のポイントは『「めあて」と「ふりかえり」の連動』です。授業の始まりに、その授業の目的を示すものとして「めあて」を提示したのであれば「振り返り」が最後に必要になります。例えば

『かけ算の7の段を覚えよう』という「めあて」を設定したのであれば、まとめは『7の段の九九が全部言えた』や『7の段の九九が半分言えた』など連動していなければ「めあて」の意味がありません。「めあて」と「振り返り」が一致していないということは、その授業の評価をすることもできないことになります。

「めあて」と「振り返り」が表示されていない板書は、周りから見ていても何をやっているのか分かりません。また、授業後に子どもが振り返ったときにも何をしたのか分からなくなるので、必ず残すようにしましょう。

子どもの言葉を残す

3つ目のポイントは「子どもの言葉が残っている」ことです。これは、子どもが黒板を書くというわけではなく、授業中に子どもが発言したことが黒板に残っていることです。しかし、全ての答えを書くのは難しいです。そこで発言した内容のポイントだけであったり、同じ意見の場合には他の意見と合体させたりするなど教師の力量が関係してきます。教師がどれだけ事前に子どもの答えを予想していたかという教材研究力が問われる難しい作業ですが、教師の力量がはっきりと出る部分になります。

上手ではない板書の場合、まず子どもの意見が黒板に残っていることがありません。書いてあることは覚えなければいけないことばかりで、ひどい場合には答えとなる部分しか書かれていないことがあります。子どもの答えが残っているのは、どんな考えをしたのかという一人一人の考えを表現できる場だけでなく、一緒に考える題材にすることもできます。

板書に一貫した流れが見える

上手な板書のポイント4つ目は授業の一貫した流れが見える板書です。国語の授業であれば、黒板の右端から始まり、左端にかけてどんな授業になったのか黒板を見れば分かるような板書になっているのが理想です。書く位置がばらばらになってしまうと子どもはどこを学んでいるのか分からなくなりますし、今、何を勉強しているのか理解できなくなります。板書には授業の最初から終わりまでの一貫した流れが必要になります。

そして、「導入」「展開」「まとめ」といった授業の基本構造が見えているのも大切です。まとまりのない板書は、切れ目が分からないです。切れ目を意識して板書づくりをすることを心がけましょう。

書く時間と考える時間をはっきり分ける

最後に紹介するのは、子どもが理解できる板書にすることです。まず、悪い例を紹介しますが、授業の間、子どもが板書を写すことに精一杯になっている授業になっていないでしょうか。このような板書では、どんなに構造的に書かれていて、授業を見た後に分かりやすくなっていても子どもが理解をしたとはいえません。そこで「書く時間」「考える時間」をはっきりと分けます。特に小学校の低学年のうちは、書くことと考えることを同時に行うのは難しいです。

考える時間は、鉛筆を置いて子どもがみんな前を向いた状態で授業が進み、板書を書く時間は一斉に書くとはっきりさせる必要があります。これは教師が授業する中で意識をしなければいけないポイントであり、時間の区切りに関してはしっかりと指示をしていく必要があります。

上手な板書を作るコツ1 授業の計画を立てるときに板書計画も作る

では、上手な板書を作るにはどうすればよいのでしょうか。まずやってみてほしいのが授業のプランを作る前に先に「板書計画」を作ってしまうことです。板書は、授業全体の流れを表しています。したがって、先に板書計画を作ると授業全体の計画を立てることができます。「めあて」と「振り返り」を先に決めてしまい、その授業で子どもに付けさせたい力を先に決めてしまいます。そして、次にどうやったら力を付けさせることができるのか方法を考えていくと展開が出来上がります。先に展開を考えてしまうと「めあて」と「振り返り」がずれるという問題が生じやすいです。

上手な板書を作るコツ2 板書を書きすぎない

2つ目のコツは「書きすぎない」という点です。授業をしているとどうしても書くことばかりが増えていきます。しかし、書けば書くほど子どもにとっては負担でしかありません。そこでできるだけ文字情報を少なくすることが大切です。記号を使う、写真を使うなどさまざまな工夫があります。最近であればICT機器を活用する方法もあります。

 書きすぎないというのはとても難しく、言葉を精選する必要があります。無駄な言葉を入れると長くなるので、綿密な板書計画を立てましょう。初任者でよくわからないという人は校内の授業がうまいと言われる先生の授業を見てください。そして、黒板に書かれている板書を写真などに残して記録しておきましょう。非常に参考になります。

板書を見れば授業が分かるし教師の力量も分かる

黒板やホワイトボードの板書は見る人見ると教師の力量がはっきりとわかります。基本的な書き方はありますが、考えて書いているのかそうではないのかは授業後にはっきりとします。板書は子どもにとって記録に残るものです。後で振り返りをするためにも解りやすい板書でなければ振り返りもできません。一度自分の板書を振り返って、後から見たときに解りやすいものになっているのか確認しましょう。

 

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