子どもたちが学校生活をどのように送っているのか気なる保護者は多いと思います。そんな保護者に対し、子どもたちの様子を詳細に伝えることができるのが「学級通信」です。今回は、学級通信を作る際のポイントや、注意すべき点を紹介していきます。
学級通信をつくるメリット
学級通信の作成は任意であり、全ての教員が必ず発行している訳ではありません。それでも多忙な合間を縫って取り組んでいる教員が多いのは、学級通信を作ることで得られる大きなメリットがあるからです。
一つ目のメリットは、保護者との良好な関係づくりに繋がること。学校や学年からのお便りは話の規模が大きく、我が子について詳細に知りたい保護者にとっては少し物足りないでしょう。子どもたちと間近で接している担任目線の学級通信があると安心だと感じる保護者も多いと思います。
二つ目は、必要な情報を一括で知らせられること。例えば、授業で必要なものを連絡帳で知らせることもできますが、一人一人に同じことを書くのは大変だと思います。学級通信に掲載すれば全員に確実に情報が行き渡りますし、紙に印刷するため保護者の手元に残ります。
学級通信で伝えるとよいこと
次に、学級通信の内容例を紹介していきます。
一つは、普段の授業の様子です。今週どんな授業をしたのかに加え、「子どもたちがつまづいたポイント」「その授業の狙いや要点」などを盛り込むと良いでしょう。こうした情報を知った保護者が、子どもたちに学習状況を確認してくれるケースもあります。保護者が家庭学習をサポートしやすくなるような内容を伝えると効果が高まります。
二つ目は、ちょっとした活躍を伝える内容です。学校行事や部活動などで突出した活躍があった子は、学校や学年からのお便りに掲載されることが多いと思います。学級通信では、クラスでのちょっとした活躍を紹介し、全ての子どもにスポットライトが当たるように工夫するのがポイントです。「掃除を頑張っている姿」「係活動を一生懸命やっている姿」など、ちょっとしたことでも載せてあげると、子どもが喜ぶだけでなく、次の活動への意欲付けにもつながります。
三つ目は、今後の授業や活動に関するお知らせです。例えば持ち物について、絵の具セットや習字道具、裁縫道具などは学校で一括で注文する場合が多いと思いますが、家庭科や図工で使う材料などの急に必要となるものは、前もって保護者に知らせておくのが無難です。クラスごとに実施時期や進度が異なる場合があるため、担任する学級の活動については責任持って知らせましょう。
少しの工夫が「子どもの学び」「教員の負担減」につながる
作成する時に少し工夫することで、子どもたちの学習に役立てたり、教員の負担を減らすことができます。
例えば、学級通信を子どもと一緒につくること。具体的な内容としては、
- 学級通信のタイトルを子どもたちと一緒に考えること
- 端末の共同編集機能を活用して、1コーナーを担当させる
などがあります。
自分たちで作った学級通信であれば、子ども自身も大切にしてくれます。さらに学習指導要領でも盛んに言われている「主体的・対話的で深い学び」と関係させることも可能です。ただし、何でも自由にさせるのはよくありません。新聞でもSNSでも情報発信をするときにはマナーがあり、ルールがあります。こうしたルールを考えさせて通信を作ることも学級運営やモラル教育に役立ちます。
子どもたちに作成の一部を任せることで、教員の負担を減らすこともできます。さらに、写真やイラストを多く使うのも効果的です。文字ばかりのお便りは退屈ですし、教員側も文章を考える手間が省けます。子どもたちと協力し、無理のない方法で取り組みましょう。
発行する際の注意点
学級通信の作成は任意であり、全ての教員が行っている訳ではありません。「途中で発行が途切れてしまう」「定期的に発行できない」といったことが予測されるのであれば、無理に作成しないのが無難です。あらかじめ「毎月0のつく日」「毎週月曜日」と発行日を決めて、発行ペースを守りましょう。
多忙なあまり作成に手が回らない教員は多いと思います。不安定な発行は、保護者からの信頼を得るどころか、逆効果になることを理解した上で取り組みましょう。
また、学級通信といえども、学校を代表して発行するお便りです。出すときには校長や教頭の点検(起案)を受けて出すようにしましょう。
写真や名前など個人情報の取り扱いにも注意が必要です。保護者や子ども本人に掲載の許可を必ず取りましょう。また、掲載の許可が出ている子どもに関しては、「全員が一度は登場する」「同じ子が続けて出ていることがない」といった配慮も必要です。
学級通信は担任と家庭をつなぐ
学級通信を上手く使えば、保護者からも高い信頼を得ることができます。作るのには手間と時間はかかりますが、その分得るものは大きいです。「定期的な発行」「細やかな情報発信」が信頼を得るポイントです。ここに挙げた通信の作り方を読み、気を付けて子どもや保護者の信頼を得ましょう。