みなさん、こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。
前回は「選択的発問」についてお話ししました。選択的発問とは、発問の答えを選択肢にすることで、全ての子どもが参加できるようにしたものでした。
子どもは教師の発問に対して、発言(発表など)をします。しかし、45分の中で、全ての子どもが発言するのは難しいです。そこで今回は「ノート発言」についてご紹介します。
まず、そもそも発言とは何でしょうか。手元の辞書を引いてみると次のように記載があります。「言葉を出すこと。口頭で意見を述べること。」だそうです。つまり、しゃべることが発言だと考えてよさそうです。それを、授業の中で分類すると「発表」「対話」「つぶやき」に大別できます。
発表とは、学級のみんな(友達や教員)に向けて、自分の意見を述べることですね。対話は、教員の問いかけに子どもが反応したり、友達と話し合い活動をしたりすることです。また、つぶやきとは、子どもが思ったことを咄嗟に口にすることです。例えば、教員が「この場面の残雪の行動には、感動するなあ」と言ったときに、子どもが「たしかに!」「残雪って頭もいいよね」などとつぶやくことです。
さて、発言は、授業では必須です。子どもの発言がなければ、教員の一方通行になってしまいます。私はこれを子どもたちに「授業中は発言(反応)してくださいね。先生は、みなさんの発言を聞いて、授業のペースを変えたり、教え方を変更したりします。これがなければ、授業動画を見ているのと一緒ですよね。ですから、授業はみんなと先生とで協力して作っていきましょう」と伝えています。
しかし、発言には問題があります。それは「発言が苦手な子がいる」ということです。これは、どの学級にも必ずいると言ってよいでしょう。また「時間がかかる」という面もあります。たしかに、全員が発言できたらよいですが、40人近くいる学級では、それだけで授業時間のほとんどが尽きてしまいます。
では、どのようにしたらよいのでしょうか。そこで、私の師である野口芳宏先生が考案された「ノート発言」をおすすめします。ノート発言とは、意見を口で言うのではなく、ノートに書くという手法です。
それを、教員が机間巡視のときにノートを見ることで確認します。これならば、発言が苦手な子でも書けますし、40人学級でも数分あれば、全員の発言を教員が確認することができます。
ノート発言のポイントは「短く」「小刻み」に行うことです。長い文章を書くことは、子どもにとって負担です。短い文章を授業の中で何度も書かせることが、コツです。
具体的には次のように行います。教員が「このとき、大造じいさんが考えていることを、一言で書きましょう」と指示します。子どもは「残雪は、統領にふさわしいな」「ハヤブサに立ち向かうなんて、すごいやつだ」などと、短く書いていきます。
授業中の発言を、全てノート発言で行うわけではありませんが、適宜取り入れていくことで、全員参加の授業を実現することができます。ぜひ、おためしください。
というわけで、今回は「ノート発言」についてお話ししました。次回は「絵巻物方式」についてお話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。