「え…。これ、どうやって授業をすればいいんだ…」
初任者のとき、初めて国語の教科書を開いたときの私の心の声です。当時は4年生を担任しており、最初の教材が草野心平の「春のうた」でした。
詩は、物語文や説明文に比べて非常に短い文で構成されています。「こんなに短いもので、どうやって1時間授業をすればいいんだ」と戸惑ったことを鮮明に記憶しています。
国語の教科書には、詩・和歌・俳句・短歌などの「詩歌(しいか)」がたくさん掲載されていますが、かつての私のように、若手教員は授業展開に悩むことが多いのではないでしょうか。そこで今回は、詩歌の授業が楽しくなる「絵巻物方式」をご紹介します。
先述の「春のうた」ですが、当時の私は次のように授業をしました。教科書を開いて、みんなで詩歌を音読し、子どもにノートに詩を書き写すように指示をしました。
4月の初めだったため、子どもたちはやる気に満ちています。しかし、最初こそ目を輝かせていたものの、だんだんとその輝きを失っていきました。初任者ながら「ああ、私の授業がつまらないのだな」と痛感したのを覚えています。無理もありません。音読の工夫も、発問もないのです。子どもは教員と一緒に読んで、書き写すだけ。退屈なのは当然です。
では、どのように展開すればよいのでしょうか。私の師である野口芳宏先生が考案された手法に「絵巻物方式」というものがあります。
絵巻物って、どんなものかイメージできますか。昔話などに出てくる、筒状になっているアレです。絵巻物は一気に全体を見ることはできず、巻物を解きながら少しずつ中身が見えてくる仕組みになっています。「絵巻物方式」とは、これと同じように教材を提示する手法です。
「春のうた」を例に説明します。まず、子どもたちの教科書を閉じさせ、詩の全体を見せないようにして、以下の流れで進めます。
1. 題名を板書する
【春のうた】
教員「これが題名です。みんなはどんな内容だと思いますか」
2. 作者名を板書する
【草野心平】
教員「『くさのしんぺい』と読みます。かえるの詩で有名な人です」
3. 本文を少しずつ板書する
【ほっ まぶしいな。 ほっ うれしいな。】
教員「これは、どんな場面でしょうか」
このように少しずつ板書し、発問や対話活動を挟みながら授業を展開していきます。最初から全体を見せないことで、子どもたちには「先の展開を予想する楽しさ」が生まれるのです。
今回は、詩歌の授業を豊かにする「絵巻物方式」についてお話ししました。明日の授業から試せる方法ですので、ぜひ実践してみてください。
次回は「日直作文」についてお話ししたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。