「選択的発問」で子どもの思考を深めよう

みなさん、こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。

教員が授業や生徒指導をするときは、様々な教育技術を使います。これは、長い時間をかけて醸成されていくものもあれば、知ることですぐにできるものもあります。例えば、卓越した板書や、子どもの発言への切り返しなどは、すぐには身につかない技術でしょう。一方、知ることですぐに使える教育技術もあります。私はそれを「小ワザ」と呼んでいます。その中でも、今回は「選択的発問」についてお話しします。


発問は授業の核となるものです。ここで、質問と発問の違いについて確認しておきます。質問とは「問う者が、わかっていないことを問うこと」です。発問は「問う者が、わかっていることを問うこと」です。

例えば、教員が研修を受講しているときを考えてみましょう。研修講師に教員が「授業では、どのようなチョークの色を使うのがよいのでしょうか?」と尋ねるのは、質問です。

教員が「どんなチョークの色を使えばよいか、わからないので教えてほしい」から尋ねています。これに対して発問とは、わかっているけど問うことです。

例えば、教員が子どもたちに授業をしている場面を想像してください。教員が「なぜ、ごんは兵十にくりなどを持っていったのかな?」と尋ねているとき、教員は答えを知っています。しかし、子どもの理解の状況を把握したり、思考を深めたりするために、あえて問うているのです。これが発問です。


さて、授業づくりの中で重要となってくる発問ですが、これを作り上げるのは、とても難しいです。どのような発問をすれば効果的か検討するためには、深い教材研究と子どもの実態を正確に把握する必要があるからです。難しすぎても、簡単すぎてもだめなのです。そこで私の師である野口芳宏先生が開発された「選択的発問」をご紹介します。選択的発問とは、「発問に対する答えを、選択肢にすること」です。どういうことか、詳しく説明していきます。


よく使われる発問には「〇〇はどんな気持ちだったのだろう?」「なぜ◇◇したのだろうか?」といった、答えが一つに絞られないものがあります。これはいわゆる「開かれた発問(オープン・クエスチョン)」です。これもこれでよいのですが、このような発問では思考が動き出さない子もいます。


一方、選択的発問は「〇〇がした行動が、正しいと思う人は〇、正しくないと思う人は×を選びましょう」「△△したのは、①自分のため、②友達のため、③家族のため、どれだと思いますか」といったように、答えを選択させることで、発問をシンプルにします。この方法だと、子どもは答えを選ぶだけなので、すべての子どもが授業に参加することができます。また、選ばせた後に「なぜそっちを選んだの?」と理由を問うことで、そこからさらに思考を深めることもできます。すべて選択的発問にすればよいというわけではないですが、日常の授業においてとても使いやすい技術です。

今回は、「選択的発問」についてお話ししました。少しの工夫で、子どもたちが授業に向かう姿勢は大きく変わります。ぜひ、ためしてみてください。次回は「ノート発言」についてお話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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