即戦力になれ!学生でもできる教員体験

教員志望の皆さんにとって、学生のうちから子どもたちと実際に触れ合ったり、教育現場の雰囲気を肌で感じたりすることは、教員としての資質や能力を高められる貴重なチャンスです。このような経験を得られるのは「教育実習」だけと思っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。

教育実習以外で教育現場を体験できる制度は全国各地で設けられており、大学の単位として認められたり、自治体によっては教員採用試験で加点されたりするケースもあります。

学校現場に関わる3つの方法

学生のうちから教育現場に関わるには、以下のような方法があります。

  • 教育実習
  • 教員ボランティア
  • 学生チューター

それぞれの仕事については、各教育委員会や、教員志望者向けのマッチングサイト、あるいは学校独自に募集している場合があります。次に、一つ一つの仕事の特徴を見ていきましょう。

教育実習

教員を目指す学生であれば誰もが経験する実習で、教員の仕事について最も良く知れる機会と言えるでしょう。複数の学校種の免許を取得する場合は、実習を2回(主免実習と副免実習)受ける必要があります。実際に授業を行うのは緊張しますし、事前準備も大変です。先生の仕事の難しさと同時に、やりがいを感じることができます。

実習する上で大事なのは「児童生徒をしっかり観察すること」です。教材研究は大学の座学でもできますが、授業中の子どもの反応は、実際に教壇に立たないと感じることができません。発問に対する反応や、普段の様子、教員側からの働きかけによる効果など、実際に子どもと接するからこそ分かることはたくさんあります。

教員ボランティア

各自治体の教育委員会は、学校現場を支えてくれる教員ボランティアを募集しています。地域によって名称が異なり、スクールサポーターなどと呼ばれていることもあります。仕事の内容としては「児童生徒の学習支援」「不登校児童生徒の学習補助」「学校環境整備のサポート」「部活動指導」などがあります。

働く時間帯の自由度が高いため、大学の空きコマなどを利用して参加できるのが魅力です。無償のボランティアなので、活動意欲が湧かないという学生も多いかもしれませんが、最近は大学側から教員ボランティアを勧められ、単位を与えられるというケースも増えています。将来にきっと役立つ経験だと思うので、積極的に参加してみてはいかがでしょうか。

学生チューター

ボランティアとは異なり、こちらは有償です。学習支援や別室登校をしている子どもの支援などの業務を任され、教員支援としてプリントの印刷などの雑務も行います。また、学校現場だけでなく、児童館や放課後等デイサービスなどで働くケースもあります。

報酬を得られる一方、ボランティアに比べて制約が大きいのが特徴です。勤務の時間帯や期間などについてきっちりと契約が交わされるため、遅刻したり途中で辞めたりすることはできません。

地域の一員として関わる

学校に出入りするだけでなく地域活動に参加するのも一つの手です。例えば、自治会が運営する健全育成会のメンバーとして、祭りやクラブなどの地域活動に関わったり、地域のスポーツ教室で指導したりすることで、自分なりの教育者像を作り上げていくと良いでしょう。

近年の自治会活動は、保護者やシニア世代が中心となっています。積極的に参加する若者が減っているため、間違いなく歓迎されます。子どもたちにとっても、比較的年齢の近いお兄さんお姉さんとの交流は一生の思い出になるでしょう。

早い段階から経験を積もう

教員不足の影響もあり、学校現場はこれまで以上に即戦力を求めています。このため、優秀な人材の育成に力を入れており、教員体験の受け入れ体制を整えている学校が増えています。

また、4年制大学の場合、教育実習は4年生で受けに行く人が多いと思いますが、教員ボランティアや学生チューターは学年を問いません。比較的時間に余裕のある1・2年生でも参加できます。早い段階から無理なく現場で実践経験を積んで、教育実習や就職後に備えてみてはいかがでしょうか。

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