【教員志望者必読】学校現場で求められるビジネススキル

学校教員として現場で求められる力は大きく知識と技術に分けることができます。知識についてはイメージが付きやすいと思います。教科の知識、学級運営のノウハウなど、知っていることで役に立つ情報のストックをイメージしてください。
では技術についてはどうでしょうか。学校現場ではよく「授業力」「指導力」といった言葉も聞かれますが、実はそのような教職として求められるスキルも、分解してみれば汎用性の高いビジネススキルで成り立っています。この記事では学校現場で求められる技術を、学生時代から心がけ次第で身につけられ、また学校以外のフィールドでも汎用できるビジネススキルという形で紹介していきます。

■「ガッツやコミュ力があれば安心」は命取り

教員採用試験の面接試験でも必ず評価ポイントとなる、コミュニケーション力や教育への熱意の強さは、間違いなく教員としてのスキルの柱となります。しかし、いわゆる学生時代にコミュ力があると自負している、情熱あふれるタイプの人も、実際に現場配属後に行き詰まってしまう事例はよく見られます。
理由は極めてシンプルで、「児童生徒のために頑張りたい!」という熱い思いを抱いていたとしても、それを適切に行動に落とし込むスキルが不足しているからです。そのことに気づいていないと、何歳になっても「ガッツ」「性格」といった曖昧な定義のスキルしか振りかざすことができないため、将来的にマネジメントを期待される年齢になったときに、精神論のみで部下に接することになってしまいます。教員として、そして1人のビジネスパーソンとして早急に身につけるべき、重要なスキルは以下の3点です。

 

■学校教員として必要なビジネススキル3選

・課題設定、解決力

授業づくりや保護者対応、生徒指導などにおいて何が正解か分かりにくく、教員として試行錯誤が求められるシーンは日々絶えません。しかし課題設定力・解決力を1つの技術として意識的に習得することで、頭を悩ます場面も激減します。
問題には必ず、問題が起こった原因でありテコ入れが必要な部分、つまり課題があります。その課題が何なのか見誤ってしまうと、トラブルや徒労になってしまうため、まずは適切な課題設定ができるようになることが重要です。下記、具体事例を用いて考えてみましょう。

<問題>

授業での発問について、グループワークで意見を出し合い考える機会を設けた。しかし、なぜか自分の授業ではワークが盛り上がらず、意図した通りに話し合いが深まったグループがなかった。
このような事例が起こったときに、次にどうするかといった打ち手をすぐに考えてしまうのはNGです。そもそもなぜ問題が起きたのか、課題を捉えることができていないからです。まずは起こった問題の原因を振り返って考え、改善すべき課題設定をしてみましょう。
課題設定が合っているかどうかは、自分である程度根拠があればいいのですが、不安な場合は実際に生徒にアンケート形式などで授業のフィードバックをとったり、他の教員に相談するのも1つの手として有効です。今回のケースでは、以下の2点が課題として浮かび上がってきました。

<課題設定>

・グループに与えている問題そのものが、話し合いの必要性を感じる内容ではない。
・班によってはすぐに発問に対する答えを導いたため、退屈な時間が多くなってしまっていた。

上記2点を、活発なグループワークを成功させるための課題として、設定が完了しました。ようやく、どのように課題を解決していくか打ち手を考えるステップに入っていきます。問題から漠然と打ち手を考えるよりも、今回の場合はどうやら発問の仕掛け方の部分に問題解決のカギがありそうだと、解が少し見えてきましたね。

<打ち手>

・グループメンバーの1人1人に異なる情報を記したカードを事前に配布し、情報を組み合わせることで答えを導くことができるように変更。
・発問を1つではなく、STEP1~3までレベル別に用意し、どの班も手持ち無沙汰になってしまう時間が発生しないように改善。

話し合いの意味を生徒が感じられるようにグループワークの発問や情報提示方法を工夫します。そして習熟度がグループごとに違っていることを踏まえて違うレベルの発問を用意することで、グループごとにそれぞれ議論が活発化につなげる打ち手をまとめることができました。
実際はさらに複雑な問題がある場合も考えられますが、問題の背景を1段2段「なぜ起きたのか?」と立ち止まって考える習慣の積み重ねが、課題設定・解決力をあなたの武器にしていく近道です。

・周囲を巻き込む力

これは文字通り、個に閉じて仕事をするのではなく、周りの先生を巻き込んで自分の仕事の「関係者」を広げていくスキルです。授業づくりや学級経営など自分で抱え込んでしまいがちな仕事ほど、他の先生たちと意識的に情報交換をしていくことが望ましいでしょう。
結果的にアイデアの幅が広がるだけではなく、頼り頼られという信頼のキャッチボールを1人でも多くの仲間と行うことで、いざ自分が困ったときや、周囲に難しい依頼をしなければならない場面でフォロワーになってくれる味方が多くなります。年齢を重ねれば重ねるほど、教員を動かさなければならない仕事が増えてくるため、若いうちからこの習慣を身につけておくと、かなり仕事が楽になります。
注意点は常に自分の考えと仮説を持った上で、事前に何を聞きたいのか明確にすることです。人任せになってしまわないよう、自分は何をどうしたいのかを伝えて相談する癖をつけておくと、各々忙しい中であっても協力してくれる味方が一層増えることでしょう。

・タスク管理力

勤務時間には生徒や保護者対応だけではなく、授業準備や提出物のチェック、事務作業など多岐にわたる業務が次々に降りかかってきます。タスク管理力とは、複数の仕事をテンポよくこなすために、いつ何を行うのか自分で分かるように適切に管理するスキルです。ポイントは大きく3点あります。

  • タスク管理の時間を1日2回必ず作る

第一に重要なことは、1日の初めと終わりに必ず今日のゴールは何かその日の仕事を整理し、退勤前に抜けや漏れがないか振り返ることです。まずは毎朝自分の空き時間や生徒下校後の時間を考えて、今日はどの作業を終わらせる日にするのか、必ず計画を立てましょう。
目標がないまま1日が始まってしまうと、何となく疲れたら帰るといったように退勤の区切りもぼやけてしまい、無駄な残業を増やしてしまいかねません。もちろん、緊急の生徒対応などで予定通りに進まないこともあります。そのため全て仕事を完了できなかったとしても、1日の終わりに1分振り返りの時間を設けて、何を翌日に持ち越したのか自分で分かるようにすることで、次の日の仕事はそこからスムーズに開始することが可能です。

  • 仕事を3種類に分けて管理

仕事は大きく3つに分けることができます。「直近でやる仕事」「今週中にやる仕事」「余裕がある時に早めにやりたい仕事」の3つに仕事を分類してみてください。この分類の管理は、手書きのメモや手帳など各々がやりやすい方法で問題ありませんが、個人的にはPCの付箋アプリがデスクトップに張り付けることができる上に、色分けも可能なのでおすすめです。
舞い込んだ仕事は常にこの3カテゴリーに振り分け、毎日のスケジュールを踏まえて、毎朝1日の予定に組み込んでいくことで、優先順位を見失うことなく仕事を進めていくできる上に、隙間時間も活用できるようになります。

  • 似た仕事は固める

似たような仕事は固めて片付けるということが、効率性を高めるためのセオリーです。例えば印刷機を使う仕事、PCを使う仕事、教室で赤ペンを使って行う仕事など、仕事ごとに使うツールや作業場所で固めると作業効率が良いでしょう。
不必要な移動時間をなくすだけではなく、脳も似たような作業を固めて処理するほうが切り替えの回数も少なくなるため、集中力も持続しやすくなります。

今できること

これらのスキルは非常にシンプルであり、意識次第でいつでも身につけることができます。しかし、逆に言えば意識しないと身につけることができない場合もあります。もし今読者が学生で、これから教壇に立つ予定があるのであれば、いち早く現場に順応するために日々の学生生活やアルバイトなどでも今回紹介した3つのスキルを意識してみてください。
例えば毎朝1日のスケジュールを立てたり、何か困難なことが起きたらまずは冷静に原因を考えたりなど、心がけ1つで何気ない日常的な出来事でも、あなたのかけがえのない武器に昇華させることができます。
学生や教員の皆様がスキルを獲得し、やがては生徒や後輩に武器を伝授できる存在として、活躍されることを応援しています。

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