新任の先生がやっておきたい!5月までの5つのポイント

新任の先生にとって4月はこれまでと違った気持ちで迎えているのではないでしょうか。
初日に辞令を受け取り、いよいよ社会人としての一歩を踏み出すとともに、新しい仕事がどんなものか緊張、不安などさまざまな気持ちでスタートをしていると思います。

そんな新任の先生が4月、5月を過ごしていくときに知っておくと良いことをまとめます。先輩からのアドバイスと思って読んでいただければ幸いです。

始業式前にやるべきこと3つ

まずは始業式前にやるべきことを3つ紹介します。

①どんな児童生徒を受け持つか書類で把握

学校の仕事は始業式が始まりではありません。最初の日に学校内の分掌発表があり、担当する学年やクラス、校内で仕事の分担がわかります。
そして、職員会議や学年会議、行事の準備と大量の仕事が来ます。

そんな中でしっかりとやっておきたいのが「児童生徒の把握」です。まだ、実際に子どもには会っていませんが、その前に書類でどんな子どもがいるのか確認しておきましょう。
特に確認することは次の3点です。

  • アレルギーなど基礎疾患を持っている子どもがいるか
  • 不登校傾向の子どもの情報があるか
  • 前年度から引継ぎのトラブルをもつ子どもがいるか

どれも4月のスタート時には事前に知っておきたい重要な情報になります。
始業式の前の段階では担任であることを明かすことができませんので、
心づもりだけしておき、新学期早々に必要があれば保護者に連絡を取ります。

②学校経営案を読み、学校の指導目標を知る

2つ目にやることは学校経営案を読み、学校としての指導目標を知ることです。
学校経営案は4月当初に校長先生より配布されるはずです。中には学校がその年度に大切にする指導目標、授業のマナー等が書かれています。
学校内で統一するものも多いので確実に確認し、学級経営の中に盛り込みましょう。

③1年間の行事を確認する

3つ目は1年間の行事の確認です。最初の職員会議で1年間の学校の予定が出されると思います。
運動会や遠足など準備が必要な行事は確認し、自分の学年に関係ある行事、6年生の修学旅行、宿泊学習、中学校であれば定期テストの日程を確認します。

実は行事ごとが確認できると自分の予定も立てることができるようになります。
長期休業期間に遊びに行きたいのであれば、その日程もこの段階で組むことが可能です。

最初の3日間は「黄金の3日間」

始業式が始まってから最初の3日間は「黄金の3日間」と言われ、ここで1年間の学級経営が決まるといってもよいです。
子どもは新しい先生になって期待をしながら新学期を迎えています。そんな子どもたちに、どんなクラスにしたいのか、クラスの目標をしっかりと話しましょう。
そして、クラスとしてのルールを徹底するのも最初の3日間が勝負です。
机の整頓、本の置き方、連絡帳の各タイミングなど最初の3日間をブレないで過ごすことが大切です。

クラスのルールを決めるときには先生主導(学年主任と確認)

クラスが始まるといろいろなルール決めをすると思います。そのときは子ども任せにしてはいけません。基本的に子どもからの意見は聞くものの先生主導でルール作りをします。
新任の先生であれば、ルールに関して不安があれば学年主任に相談しながら進めましょう。
子ども任せにすると比較的自由なルール、どちらかというと楽できるルールを作ろうとします。
ここで先生が許すと「先生はなんでも聞いてくれる人」というイメージを与えかねません。
子どもから意見を聞きながらも先生が持っていきたい方向にルールがなるように予め想定して話し合いをします。

厳しいぐらいのルールでOK

学級での決まりとしては「机の上の本の置き方」「下駄箱の靴の置き方」など様々なものを決めると思いますが、初めは厳しいぐらいでよいです。学級の取り決めは、緩めておいてから厳しくするのは非常に難しく子どもも納得しにくいです。

逆に少し厳しめから緩めていくのは、子どもたちの自立を促すきっかけとして使うことができます。最初は少し厳しいぐらいのクラスルールを決めてしまいましょう。

最初の一週間でクラスの課題を確認

最初の一週間でクラスの課題を確認していきます。

始業式前の書類とクラスの現状を知る

始業式後の最初の一週間はクラスの現状を知ることに力を注ぎます。

特に事前に引き継ぎ資料で見ていた情報が正しいか、新しく変わっていないかは確認しましょう。不登校傾向だった子どもは4月の最初、頑張ってくることが多いです。
しかし、一度ダメになってしまうとそのまま継続してしまうので、注意深く様子を見守ります。
また、給食や清掃といった活動もこの頃から始まります。
基礎疾患やアレルギーをもっている子どもがいれば、早目に保護者に連絡を取り、詳しい話を聞きましょう。
保護者としても、心配して送り出しているので先生から連絡をもらうことができると安心します。

「いじめられそう」と感じる子は要チェック

2つ目は「いじめられそう」と感じる子どものチェックです。これはとても難しく経験がいりますが、次の2つの視点で見てください。

  • 休み時間に一人でいることが多い
  • 同学年ではなく異学年との交流を好む

このような特徴がある子どもがいれば、チェックしておきましょう。
この段階ではいじめになるかどうかわかりませんが「いじめられるかもしれない」という意識を持っていることが、後々に影響を与えます。

クラスのリーダーになりそうな子を見つける

クラスのリーダーになれそうな子を見つけることです。
ある程度上の学年になれば、前年度の引継ぎ資料から「リーダー性あり」といった資料が付いているかもしれませんが、実際に自分の目で見てリーダーになれるのかを確認します。
なぜなら概ね始業式から2週間前後で、各クラス学級委員を選出することになります。

クラスの立ち上げで信頼できるリーダーを決め、担任としても育てることがクラス運営では重要になります。

心配な保護者にはゴールデンウィーク前にコンタクト

始業式が終わって2週間も経つと、授業参観やPTA総会の時期になります。
ここは保護者と話をするチャンスです。特に心配な子どもが見つかった場合は最近の家での様子などを聞き取りしましょう。

ここでやってはいけないことは「絶対に子どもの悪い部分を言わない」ことです。まだ、2週間では何もわからない状態で子どもを否定してはいけません。
それよりも学校ではわからない普段の様子を聞き取る情報収集に徹しましょう。

また、新任の先生の場合、保護者は期待半分、不安半分で見ています。
どんなクラスにしたいのか明確に保護者に伝える、言葉で伝えきる自信がない場合には、文書にして伝えてあげると保護者も安心します。
保護者の信頼を勝ち得るためにもファーストコンタクトは大切です。

強烈な親こそ教員側から近づき一言でも会話する

担任するクラスによっては「保護者要注意」という引継ぎを受ける場合もあります。

要注意というのはかつて理不尽なクレームがあったり、大きなトラブルを起こしたりした保護者です。そんなことを聞くと一瞬、ひるんでしまうかもしれませんが、そんな親こそ、こっちから話しかけていきましょう。
強烈な親は、こちらが聞き役に回ってしまうと調子に乗ってどんどん要求をしていきます。

まずは、こちらから積極的に話かけて学校での様子を話し、家での様子を聞き出し保護者と先生の関係作りをしていくことが大切になります。

この記事では保護者対応のコツも紹介しているので参考にしてみてくださいね。

ゴールデンウィーク後に1年後のクラスのイメージを固める

ばたばたとする4月はあっという間に過ぎていきます。
そしてゴールデンウィークになると少しほっとした時期です。

この時期に考えたいのが今後の学級経営です。
学校によってはゴールデンウィーク明け頃に学級経営案を提出しなければいけません。
受け持っているクラスや学年がどんな状況で、何が課題なのか。その課題を解決するためには何をすると効果があるのか考えましょう。

新任の先生にとってはどうすればよいか悩み始めるのもこの時期になります。
そんなときには教務主任や指導教官などベテランの先生に助言を求めるのもよいです。
そしてゴールデンウィークが終わるとクラスは少し緩んだ空気になりますので、
そこで改めて子どもたちに今後の目標を話し、目指すクラスに向けて育てていくことになります。 

1年後にどんなクラスにしたいのか担任として学級経営の柱を作る

5月は行事が少なく、中学校だと中間テストが始まる時期になります。落
ち着いて学習に取り組むことができる時期でもあるので、日々の教科指導をしっかりと行うと同時に学級経営の柱づくりをします。

「道徳教育を推進する」「ICTを活用できるクラスにする」「命を大切にする」受け持つクラスの実態によって柱は変わりますが、1年間ぶれることがない学級経営の柱を作りましょう。
この柱が全てのよりどころになります。クラスに常に振り返ることができるように柱になる言葉を掲示するのもよいです。これが学級目標として、クラスをまとめる言葉になります。

最初の2ヶ月がクラスを決める

1年間の学級経営は最初の2か月、もっというなら「黄金の3日間」で決まります。子どもが荒れるクラスの特徴としては

  • 整理整頓ができていない(本の置き方、靴や水筒の整頓など)
  • 授業中の姿勢がふらふらする(足がついていない、すぐに姿勢が乱れる)
  • 担任の目標を子どもが理解していない(指導にぶれがある、子どもが納得できる指導がされていない)

こんな特徴があります。

教員は先手を打って行動を

教員は授業者であると同時にクラスのマネージャーです。
マネージャーが今を見て対応しているばかりでは、子どもは動けません。
子どもが動けるように先生は未来を予測して、先手を打つことができるように準備しておくことが大切です。

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