「学級通信って何を書けば良いのかわからない」「最近、行事がないから記事のネタが見つからない」など、頭を抱える先生が多く、教員にとって悩みの1つでもある学級通信。
こちらの記事では、学級通信を書く際のポイントをご紹介していきます。
学級通信の内容
学級通信を発行するぞと心に決めていても、日々の担任業務に追われ、そもそも学級通信を書く時間が確保できなかったり、何を書けばよいのかわからなかったりするでしょう。
例えばこんな内容を書いてみるのはいかがでしょうか。
◆第一号で約束事を伝える
入学式や始業式は、初めて新しいクラスみんなが集合する大切な1日ですが、式やたくさんの配布物・回収物に追われ、ゆっくりとクラスに向けて何かを話すことは、なかなか難しいものです。
また、中学生高校生の慣れた時期になると、「なぜ髪の毛を染めたらダメなのか」「靴下って派手な柄じゃダメなのか」など、ルールに関する質問がグンと増えていきます。
もちろんその一つ一つの質問に丁寧に答えることも大切ですが、第1号の学級通信を通して「このクラスが目指す三ヶ条」や「ルールを守ることの大切さ」を改めて伝えるのです。
具体的な例としては、
1年生の場合
- ルールは何があっても守るべし
- 人を大切に思う気持ちを持つべし
- とにかくひたすら悩むべし
2年生の場合
- ルールは何があっても守るべし
- 自分を大切に相手を大切に
- 変化をとにかく恐るな
というように、その学年やクラスのカラーに合わせて、どうなっていって欲しいかを簡潔に伝えましょう。
クラス始めに提示することで、自分自身でも一年間の目標が立てやすくなりますし、
もし、クラスで何かトラブルが起きた時には、「三ヶ条でも書いたけど…」と、振り返って話すこともできます。
◆『やらないことがカッコイイ』と感じる生徒が増えていく前に書くと良いこと
入学直後は何でも頑張ろうとしていた子どもたちも、時間が流れるとサボることを覚え始めます。
特に、体育大会の行進や合唱コンクールなどがあれば、「一生懸命やらない俺って、カッコイイ」と思春期特有の考え方を持つ生徒が増えてくるものです。
そんな時には子どもたちが初心を思い出せるような内容を学級通信に書いてみましょう。
とある先生の学級通信に書かれていたのは登山の話でした。
これは、スイスのある登山ガイドさんのお話です。登山では普通、山を登る途中の休憩所(きゅうけいじょ)で昼食をとり、最後のきつい登りに備えて休憩をとる。ここで、頂上まで登らずに暖かく快適な休憩所に残ると言い出す人が必ず出てくる。彼らは、他の人たちが出発した後は、嬉々としておしゃべりを楽しむ。まるでパーティーだ。ところが、日が西に傾く頃になると、窓から頂上を見上げる人が多くなる。そして、登頂組が戻ってくるまで、みな黙り込んでしまうのだ。なぜなら、自分がせっかくの機会を逃してしまったことに気がつくからだ。ほとんどの人は、スイスを再び訪れることはない。頂上に立つ機会はもう二度とめぐってこない。一生に一度のチャンスを逃してしまったのだ。
皆さんが、これから「登ろうとしている山」は、どんなものでしょうか。大勢いれば怖くない、人間というのは、共に諦めてくれる人がいると、なぜか心強くなってしまうのです。しかし、皆さんにとっての山が何であろうと、その高さがどんな高さであろうと、一度足を踏み出したからには登頂してほしいものです。さあ、2学期が始まりますよ!
長い文章でなくても構いません。子どもたちの気付きとなるよう、教員の目線・言葉で教えてあげてください。
◆日常の何気ないこと
学級通信は、オフィシャルなものでなければならない決まりはありません。
発行する教員自身が面白いと感じたことや、子どもたちと共有したいと思ったことなどを自由に書いて良いのです。
些細な発見や、その時々に子どもたちに必要だと思った言葉やエピソード、
教室でおきた珍事件など、掲載するネタは何でも良いのです。
書きたいことを書きたいままに、色々とチャレンジして書いてみてください。
継続できる学級通信を書くには?
子どもたちに伝えたいことや、日々の日常を伝える学級通信。
しかし、その学級通信が自分自身の負担になってしまっては、元も子もありません。
では、学級通信を継続して発行できるコツは何か。それは、自分の得意を知るということです。
文章を書くのが得意であれば、日々の生活やインターネットの記事、本などから物事をキャッチし新聞のように文字で溢れた学級通信が書けるでしょう。
また、手書きでイラストを描いたりするのが得意であれば、イラスト付きで生徒との会話を載せたり、授業中の発言や給食でのエピソードなど、教室での出来事を掲載することもできるでしょう。
学級通信の形に正解はありません。これから学級通信にチャレンジしていく人は、自分は何が得意なのかということをまず考えて、その得意を生かした学級通信を書いてみてください。
読んでもらえる工夫を
クラスが30人もいれば、配られた手紙を全て読む子もいれば、1枚たりとも目を通さず、机の中にグシャグシャに押し込んでしまう子もいるものです。
読みたくなる、読みやすい学級通信を作るためには読んでもらえる工夫が必要です。
一番手軽にできる工夫としては、見出しをつけることです。
大きな見出しと小見出しを入れてあげることで、1秒で学級通信の内容を把握することができるのです。
よく文章だけの学級通信を目にします。しかし、子どもたちは皆が皆、活字を読むことが得意な訳ではありません。
パッと見ただけで、どのような内容が書かれているのかを把握できるレイアウトにするすることも工夫の一つとなるでしょう。
例えばTwitterやinstagramのように、子どもたちにとって身近なS N Sを模倣したレイアウトにしてみるのも工夫の一つです。
このように文章のみを書くのではなく、吹き出しなどを使ってSNSのようなレイアウトにすることで、見やすくまとめることができます。
書き方を少し工夫するだけで、子どもたちは「何が書かれているのだろう」と興味を持ってくれるかもしれません。
学級通信を通して生徒へ向けたメッセージを
学級通信は、「保護者の方へ向けて書くもの」ではなく、「自分のクラスの生徒へ向けたメッセージ」として書いてみると書きやすいでしょう。
短い休み時間や、慌ただしい朝礼・終礼だけでは、なかなか子どもたちへ、教員自身の思いや考えを全て伝えることは難しいです。
「こんなことがあったよ」「こんな風に成長していって欲しい」「こんなクラスになっていって欲しい」
そんな担任としてのメッセージを、学級通信を通して伝えみてください。