講義形式の授業だけではいけない!授業を生き生きとさせるテクニックの身につけ方をご紹介!

授業を参観していると講義形式の授業を多く見かけます。経験の浅い、深い関係なく教え込み型の授業をしている先生は多いものです。もちろん、しっかりと教え込みをしなければいけない授業内容もありますが、本来は子ども一人一人が生き生きと活動し、授業ができるのが理想的です。

文部科学省も授業のやり方として「主体的・対話的で深い学びの実現」を大きな柱にしています。この主体的・対話的な学びにおける主語は「子ども」です。つまり、教師は、子どもが主体的・対話的で深い学びをすることができるように支援していく必要があります。今回は、子どもが主体的・対話的に学ぶことができる1つの方法である「授業における発問の工夫」として「切り返し」のテクニックについて紹介します。

主体的な学びの場へ!子どもの言葉を大切にしよう

講義形式の授業は、子どもにとってみると教員からさまざまな教えを受ける「受動的な」学びです。これを能動的な学びに切り替える必要があります。

「質問」を「発問」に変える切り返し

はじめに、経験の浅い教員は「質問」と「発問」の違いを理解しているでしょうか。指導案などを書いていると「発問」という言葉をよく使いますが、この2つの言葉には違いがあります。

「質問」は分からないこと、知りたいことを問いかけることで、はっきりとした答えがあります。算数で答えを聞くのはまさに「質問」であり、「はい」「いいえ」で答えることができるようなものも「質問」になります。一方で、「発問」は、教師が子どもに対して意図的な問いかけをすることです。したがって、既習事項ではなく未修事項に対して問いかけることが多く、子どもの思考力や発想力を問いながら授業の「ねらい」を達成させるようにします。発問の例としては「なぜ」や「AとBで共通しているところは」であり、「はい」や「いいえ」のような一言で答えておしまいにならないのが発問です。

この2つをごちゃごちゃにしてしまうと、問いかけられた子どもは何を答えてよいのか分からなくなります。また、授業では「質問」ばかりを教師が子どもにしていると、一見、子どもがたくさんしゃべっているような活発な授業のように感じますが、一問一答のやり取りばかりで非常に単調な授業に見えます。活気があり、子ども自ら主体的に学び、深めていくためには「質問」と「発問」を意識的に使い分け、「発問」をした際には、そこから深めていくことが大切になります。

切り返しが発問をより深いものにする

一問一答の授業になると、授業というよりは講義に近い形となってしまい、常に「質問」のやりとりをしているだけになります。主体的・対話的で深い学びを実現するためには、ここから踏み込むためのテクニックが必要になります。そこで経験の浅い先生がぜひ覚えてほしいテクニックが「切り返し」のテクニックです。

切り返しは、子どもからの答えに対して教師が切ってしまうのではなく、そこから発展させる話し方です。授業がうまいと言われている先生は、状況に応じて切り返しができるテクニックをもっており、このテクニックによって子どもから上手に考えを引き出すことができます。ここでは3つのテクニックを紹介しますので、ぜひ発問と合わせて実践してみてください。

個に「切り返す」ことで 考えを深化させる

1つ目は、発表した子どもに対して切り返すテクニックです。

発問の例として「2×3はいくつ?」の問いかけに対して「6です」という答え

これだけで終わっては一問一答になります。そこで「切り返し」を入れます。発表した子どもに対して「どうして6なの?」と切り返します。ここで子どもはいろいろな理由を考えるはずです。こうした切り返しが学びを深める発問になります。しかし、切り返しに対して答えることができない場合もあります。そうなっても教師が答えを言ってしまうのはまだ早いです。次の手をやってみましょう。

周りへ「切り返す」ことで 協同的な学びに

先ほどのようなケースで「切り返し」をされた発表者(ここではAさんとします)が答えられなかったらどうすればよいのでしょうか。経験の浅い先生だと、先生が答えを言ってしまうという場面もよく見るのですが、それではもったいないです。ここでは「他者への切り返し」をしましょう。

他者への切り返しとは「Aさんが、困っているよ。誰か助けてくれる人は?」といって他の人の挙手を促す発問も良いでしょう。他にも「じゃあ、どうして6なのか周りの人と相談して」こんな問いかけをするのもよいです。相談した後にAさんに答えてもらえば、Aさんの自信にもつながります。

1つの発問から周りにふっていくことで協同的な学びにしていくことができます。このときに教師側が気を付けなければいけないのは、意図的に内容をコントロールすることです。切り返しは「広げる」と「深める」の2つの方法があります。深めていきたいのに「広める」ような発言があった場合は修正しなけばいけません。修正するためには、その授業のねらい(めあて)が何であるのかを教師がしっかりと把握しておく必要があります。教材研究をどの程度しているのか、発言の切り返しを見ているだけでもある程度分かってしまいます。

全体に「切り返す」ことで 意識をクラスで高める

切り返しをする目的は、クラス全員で問題に取り組むという意識を高めることです。

「困った子がいれば手助けをしてあげる」「みんなで難しいものに取り組む」そんな意識を子どもたちに植え付けることができるのが「他者への切り返し」の良いところです。

特に全体への切り返しは、その授業で身につけなければいけない内容を全員が身につけているのかどうかを把握することもできます。全体への切り返しで反応できない子は、身についていない可能性があります。一斉指導の中で、個別指導の対象者を見つけることができると後の支援が楽になります。

ただし、切り返しを多用しすぎてもいけません。問題によってはただ答えを確認していくだけの「一問一答式の質問」も必要になります。大切なのは、教師が「質問・発問をする意図」を考えて話しているかどうかです。なんとなく子どもに聞いているだけではよい授業をすることはできませんし、ただ教師がしゃべっているだけの授業になります。

1時間の授業を組み立てるときは、どこで確認の質問をするのか、どこで深めるための発問をするのか考えましょう。指導案を作るのは大変でも、1時間の授業でポイントになる発問を1つ準備(発問と予想される子どもの反応、そして切り返し発問)しておくだけで授業は大きく変わります。経験の浅い先生はぜひ意識をしてください。

一問一答にならない 授業ができる

子どもたちから出る言葉に「B先生の授業は楽しいけれど、C先生は面白くない」という発言があります。こんな発言をされてしまう先生の授業の違いは「子どもの発言量」と関係していることが多いです。授業を見に行くとB先生の発言量は少なく、子どもの発言が多い。C先生の授業は先生ばかりが話しているというケースです。発問の量は同じでもC先生は一問一答、B先生の授業ではいろいろな発言が飛び出しています。二人の先生の違いはここまで述べた「切り返し」の違いです。授業をするときには、子どもの考えを深めていくことができるような切り返しを取り入れ、みんなで深く考えることができる授業を目指していきましょう。

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