【教育実習生向け】研究授業を成功させるには?5つのポイントをご紹介

教育実習の集大成とも言える「研究授業」。自分のやりやすい方法で授業を組み立てるのではなく、受け入れ先の学校や学級に合った内容を考慮することも大切で、思うように指導案が書けない場合もあります。そして、それを実習期間の多忙で限られた時間内に仕上げなければなりません。今回は研究授業をする上で大切な「5つの心構え」を紹介していきます。

研究授業に向けてやるべきことは5つ

児童生徒の実態把握

まずは、自分が受け持つ子どもたちの書く力や習熟度を把握しておきましょう。教育実習の研究授業は、4月から育ててきた自分の学級で行うわけではないため、いかにその学級の子どもたちにマッチした授業ができるかが鍵になります。成績に関する採点は学生に任せられない場合も多いですが、宿題や授業中のプリントの丸つけを積極的にお願いしてみましょう。任せてもらうのが難しい場合は、授業見学の際に必ず全員の席を回りましょう。

実態が把握できていれば、「板書の量」「時間配分(考える時間、発表する時間など)」といったポイントを適切に押さえることができ、指導案の構想に活かされます。また、授業中に発言しそうな子や、その子の発言内容の見当がつき、授業の具体的な流れを想像しやすくなります。

校内研究の指導案を参考にする

実習生のみなさんは大学で何度も指導案の書き方を練習してきたと思いますが、現場に行くと様式が全く異なります。このため、校内研究の指導案を参考に、その学校の書き方を教わるとよいでしょう。「大学で習った通りに書いていいよ」と言われた場合であっても、最終的にはその学校の書き方に合わせて仕上げましょう。

校内研究は、その学校の教員たちが授業研究を通して絶えず改善してきた指導案です。いわば現役の教員たちの勉強の賜物です。指導教諭や研究主任に、いくつか指導案を見せてもらえるようお願いしてみましょう。

学習(生活)ルールの把握

授業開始・終了の挨拶や、挙手・発言など、授業中や学校生活のルールは教員や学校によって異なります。発言する際のルールだけ見ても、ハンドサインを使った挙手や、教師が指名をしない自由発言など、さまざまな方法があります。座席の配置や、グループワークの机の合わせ方にこだわる教員もいます。学級内で既に定着しているルールに関しては積極的に活用しましょう。

独自のルールを実践してみたいときは、事前に必ず相談して下さい。学級内で特定のルールを段階的に定着させている途中であれば、新しいルールを歓迎されない場合もあります。学級の実態に合わせて、あえて取り入れなかったという理由もあるでしょう。そういった意図を擦り合わせるためにも、担当教諭と一緒に学習形態を考えましょう

先生方とのコミュニケーション

担当教諭以外の先生方とも積極的にコミュニケーションを取りましょう。研究授業を行う際、他の学級の先生方も実習生のために時間を作って見にきてくれることになります。実習生自身も、あまり話したことのない知らない先生たちに見られるよりも、何度か話したことのある先生方に見守られながらの方が、安心して授業を行えるでしょう。授業だけでなく、後の検討会についても同様です。

また、担当教諭のほかにも、年の近い若手教員をはじめ、様々な相談相手が見つかるかもしれません。たった数週間の付き合いですが、採用試験に合格した折には学校に連絡して感謝の気持ちを改めて伝えましょう。採用後に実習校の先生方と再会できたときの嬉しさは格別ですよ。

指導案を毎日書く

略案や板書計画だけでもよいので、とにかく毎日指導案を書くことを心掛けてください。略案は「単元の目標」「単元設定の意図」「評価基準」といった要点とともに1時間の授業の流れを簡略化してまとめた表ですが、埋められる箇所から埋めていきましょう。ここでこんな発言がほしいなどと自由に書き出してみると、理想の授業が形になっていきます。そして、担当学級を日々観察し、学級の実態とすり合わせてください。前の日に作った指導案と全く異なる指導案ができるかもしれませんが、たくさん考えてベストな案を練りましょう。土日や退勤後に実習生仲間と一緒に作るのもよいでしょう。

また、実践授業と研究授業の時数が決まったら指導教諭に学習進度を合わせてもらい、研究授業の2週間前には、より詳細な指導案を検討する機会を一度作りましょう。それ以降は略案でもよいのでとにかく毎日見せるよう心がけてください。先生方の都合もあるため、タイミングは要相談です。学校によっては教務、教頭、校長決裁まで受けないと指導案を完成できないところもあるため、逆算して準備を進めましょう。

研究授業で感謝を表そう

児童生徒・教職員の雰囲気や人数規模は受け入れ先の学校によって様々です。しかし、どの学校の先生たちも教育実習生を受け入れるからには、「実習生に多くを学んでもらいたい」「ためになることを教えてあげたい」「反対に実習生から気づきを得たい」などと、双方にとって実りある時間になることを望んでいます。

教育実習は、教職員や子どもたち、その学校に関わる全ての人たちの胸を借りて行う貴重な体験です。謙虚な気持ちで準備を重ね、堂々とした姿を研究授業で見せることで、学校に感謝の気持ちを伝えてください。

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