養護教諭が行う実習とは?内容や実習のポイントを紹介

教員を目指す人が必ず行わなければならないのが教育実習です。
実は養護教諭を目指す人が学校現場で行う実習は「養護実習」と呼ばれています。
養護実習はどのようなことを行うのか、そして実習を行う上でのポイントを紹介します。

養護実習とは

「養護実習」とは、養護教諭免許状の取得を目指す学生が学校で行う実習のことです。
大学によって差はありますが、多くは3年次に4週間程度実施されます。
他の教科は大学4年次に教育実習を行うことが多いため、養護教諭は早めの準備と心構えが必要となります。
校種は大学や自治体によって様々ですが、いろんな発達段階の子どもたちを見ることができる小学校での実習が多い傾向です。

実習内容

実習の内容は、養護教諭の主な仕事である保健管理・保健教育・健康相談・保健室経営・組織活動の5つを行うことです。
保健室での実習がメインとなりますが、担当クラスに入り給食指導や掃除の指導等、教室内での対応も行わなければなりません。

その中でも養護実習のメインとなる保健室経営と授業について紹介していきます。

保健室経営について

養護教諭として働く上で要となる業務です。
救急処置などの保健室来室者への対応はもちろんのこと、健康診断の手伝い、健康観察、環境衛生検査等も行います。
採用されたら一人で働くことが多い養護教諭が、他の養護教諭から直接指導を受けられるとても貴重な機会となります。

保健教育の授業について

養護教諭が授業を行う機会は少ないですが、実習中は必ず保健教育の授業を行う必要があります。

保健教育は、保健指導と保健学習の二つに分かれています。
保健指導とは、手洗い指導や歯みがき指導等、子どもたちが抱えている健康問題に合わせて行う指導や授業のことです。
保健学習とは、主に保健科目の授業のことで系統立って教える必要がある内容のことです。
どちらか片方だけで良い場合もあれば、保健指導と保健学習の両方の授業をしなければならない場合もあります。

実習中気を付けること

実習中は大人だけではなく子どもたちからも色々な学びがあります。
学ぶ姿勢を忘れず色々なことを吸収しましょう。
実習の時期ごとに気を付けることが異なるのでそれぞれ紹介していきます。

前半

講話や見学を通して学ぶ時期です。

  • 実際の救急処置の方法や子どもたちへの声かけの方法を確認する
  • 子どもたちの普段の様子や持病、対応する上での注意点を確認する
  • 持病に関する疾病への理解を深める
  • 授業の進め方や流れを頭に入れる
  • 授業中の挙手の方法や教科書の読み方等、学校やクラス独自で設けられているルールを確認する
  • 指導教員とどの分野の授業を行うか検討する

この時期にしっかりと現場でのリアルな状況を学びます。

中盤

授業や保健室対応を少しずつ試してみる時期です。
保健室では早い段階で救急処置等の対応を任されることが多くなります。
また、授業に慣れるために、まずはT2として授業に参加したり、指導教員が作成した指導案に沿って授業を行ったりすることもあります。

  • 指導教員に保健室対応のチェックをしてもらい改善につなげる
  • 集団の中での子どもたちの様子を観察し、子どもたちの発達段階を目でみて学ぶ
  • 授業の指導案を早めに作成し、指導教員に見てもらう
  • 人前で話すことに慣れていない人は、指導教員や担当クラスの担任に相談して話す機会を何度か作ってもらう

また、遠足や運動会等の行事が実習中に組まれている場合もあります。
行事は普段の業務と違い、臨機応変に動くことが多くなります。
子どもたちの対応をしつつも、先生たちの動きをしっかりと観察しましょう。

後半

実習のまとめの時期です。
実習の終わりには指導教員のサポート無しで1人で保健室を担当する実習と、研究授業が設定されています。
研究授業とは、実習先の先生や大学の先生など多くの先生たちに公開される授業のことです。

  • 保健室対応では自分が勉強してきたこと、そして実習で学んできたことを最大限に生かして対応を行う
  • 実習中にたくさん失敗していろんなことを学ぶ
  • 指導案に沿った授業を行い、授業が終わった後はフィードバックを受ける

万が一間違えてしまったとしても実習中は指導を受けてやり直しができます。
しかし卒業後は一人で判断を求められる場面が多くなり、一つの間違いが命取りになります。
この機会に分からないことを聞いて学びに繋げましょう。

そして現役のプロの先生から授業の指導を受ける機会は、なかなかないためとても貴重です。
不明点を尋ねたり、より良い方法を確認したりして有意義な時間にしましょう。

実習におけるポイント

養護実習全体を通しての忘れてはならないポイントは下記の3つです。

  1. あいさつをしっかり行う
  2. 基本的な救急処置の方法をしっかりと頭にいれておく
  3. 謙虚に学ぶ姿勢を持つ

それぞれについて紹介します。

あいさつをしっかり行う

社会人として当たり前のことですが、特に学校では子どもたちの見本となるため、さらに意識してあいさつを行う必要があります。
また実習が終わったらそこで終了ではなく、採用試験の結果を報告する等その後のつながりも大切にしましょう。

基本的な救急処置の方法をしっかりと頭に入れておく

養護教諭の仕事の要となるのは、保健室での子どもたちの対応になります。
けがをしたときの処置の方法や体調が悪い時のアセスメント方法は、事前にしっかりと頭に入れておく必要があります。

謙虚に学ぶ姿勢を持つ

実習校の先生方は忙しい中、ボランティアで実習を受け入れています。
将来養護教諭として働くときのイメージを持ちながら、現場でしか学べないことをしっかりと頭にいれて帰りましょう。

養護教諭が他に行う実習

養護教諭を志望している人で、保健科目の教員免許状を取得しようと考える方もいるでしょう。
その場合、養護実習とは別に「教育実習」と「介護等体験」に行かなければなりません。
教育実習は他の教科と同じように、中学または高校のクラスに入って授業の実習を行います。
介護等体験は小中学校の教員免許状を取得する人は必須となるもので、特別支援学校や社会福祉施設等で介護の体験を行います。

そしてもう一つ、養護教諭を志望している人が行わなければならない実習が「看護臨床実習」です。

看護臨床実習とは

病院等の看護が行われる場所で、直接患者さんや家族等に接する実習のことです。
大学によって異なりますが、二年次に行われることが多くなります。

基本的には小児科、内科、整形外科を中心とした実習が行われますが、大学や病院によって内容は様々です。
外来病棟では診察の見学や処置の手伝いを行います。
入院病棟ではバイタルの測定を行ったり、患者さんの清拭等のケアを行ったりします。
疾病の重症度の判断を目で見て学ぶことができるとても良い機会です。
また、実際に病気で苦しんでいる患者さんの対応を行うことで、健康教育の重要性を実感する機会にもつながります。

学ぶ姿勢を忘れず素敵な養護教諭を目指そう

養護実習は普段一人で働くことの多い養護教諭が、他の先生から指導を受けることができるとても貴重な機会です。
また、机上で学んだことを実際に目で見て学びを深めることができる機会でもあります。

実習はとても大変で、不安や緊張を抱える場面も多いです。
しかし子どもたちの笑顔に癒されることもたくさんあります。
実習で学んだことを大学に持ち帰り、卒業後現場で働くときに養護教諭として立派に子どもたちの対応ができるよう、その後の学びに繋げていきましょう。

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