みなさん、こんにちは。千葉県の公立小学校で教員をしている山本裕貴です。前回は「教材内容と教科内容」について取り上げ、教科内容を指導するのに有効な手立てが「学習用語」とお話しさせていただきました。
では、学習用語とは、実際はどのようなものだも思いますか。今回は、国語科における学習用語について詳しくお教えします。
学習用語とは、その名の通り「学習で使用する用語」のことです。学習用語は、算数科を例に考えると分かりやすいです。例えば「足し算」「引き算」「面積」「公倍数」などが算数科の学習用語です。では、国語科における学習用語は何でしょうか。それは「中心人物」「句点」「段落」「情景」などです。これらを使って授業を展開することで、教材内容のみでなく、教科内容を身につけさせることができます。
少しイメージしにくいと思いますので、具体例を挙げて説明します。2年生の算数科には「たし算とひき算のひっ算」という単元があります。そこには、次のような文章問題が掲載されています。
「さくらんぼが36こあります。そのうち24こをたべると、のこりは何こになりますか」というものです。子どもは、この文章から36-24という式を立て、筆算して答えを求めていきます。
ここで重要なことは、算数科では「場面や数値が変わっても、答えを求められるのが当たり前」ということです。たとえば、文章問題が変わって「バナナが28本あります。そのうち15本をたべると、のこりは何本になりますか」というようになっても、答えを求められなければ困りますよね。子どもは家に帰って、お家の人に「今日は算数でどんな勉強をしたの?」と聞かれたときに「さくらんぼを食べる学習をしたよ」とは答えません。きっと「足し算の筆算を学習したよ」と答えるはずです。これが、学習用語を用いた結果、教科内容が身についている状態です。
しかし、これが国語科になるとどうでしょう。「今日は、ごんぎつねを読んだよ」「大造じいさんとがんを学習したよ」と答える子どもが多いでしょう。本当は「中心人物の心情変化について学んだよ」「情景描写の効果について学習したよ」とならなければいけないはずです。しかしながら、こういった現状になっている理由は、ほとんどの授業が教材内容の読み取りに特化したものだからと言えます。学習用語を使うことは、子どもたちに教科内容を身につけさせる一助になると考えています。
というわけで、今回は「学習用語」についてお話ししました。次回は「国語授業の小ワザ」についてお話ししたいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。