筆者は今年度も教員採用試験の面接官として関わってきました。受験者は採用試験のために面接練習などを一生懸命行ってきていると思いますが、実際に面接官はどんなところを見ているのか気になりませんか。
今回は、2026年の面接試験の実態と面接官が見ているポイントについて解説します。
教員採用試験で面接試験をする目的は
教員採用試験を含めて、一般企業の採用試験でも面接は多くあります。その目的は「人物性を確認すること!」これにつきます。
教員採用試験でもオンラインを導入する自治体、対面での実施をする自治体など、場所によってやり方に違いはあるものの最終的な目的は「どんな人なのか」という人間性の確認が目的です。
実際の面接試験の話題と目的
では、2026年の採用試験においてどのような問題を出題したのかについて公表していきます。ただし、面接の質問内容ややり方は採用自治体によって大きく異なるので、受験する人はまず、自分の受ける自治体の過去問を確認してください。その上で、一般論としてこの記事を読んでいただけるとありがたいです。
自己アピールとテーマに対するプレゼンテーション
1つ目は、テーマに関する即興のプレゼンテーションです。プレゼンテーションの時間は3分間、テーマを試験官が出題してから1分間の考える時間を与えます。
出題したテーマは複数用意してありますが、一部として
①学校教育において、今の児童生徒を取り巻く課題を1つ挙げ、課題解決に向けて取り組みたいことをまとめなさい。
②「教師として大切にしたい価値観について」これまでの人生経験を踏まえて、具体例を挙げて説明しなさい。
③AIが普及した現代において、学校で身につけさせたい力は何だと思いますか。具体例を挙げてまとめなさい。
このような内容です。学生のみなさんは、質問を聞いてどう思ったでしょうか。難しいと思いましたか、答えにくいと思いましたか。
面接官をしていると、「質問に対する回答になっていない」ケースと「話の順序が入れ替わる」ケースをやられると、どんなによい回答でも理解ができず点数が低くなります。
そこで話を考えるときに、『まず、質問に対する回答を先に述べる』これを意識しておくとよいでしょう。結論を先に言っておいてから理由を話してもらえると面接官は非常に聞き取りやすいです。
実は、こうしたテーマを与えてプレゼンをさせる出題意図として「筋道を立てて相手にわかりやすく説明できるのか」があります。
この説明力がないと教員になってからも職員会議での提案、保護者説明などで苦労することになります。
願書記載事項についての確認質問
2つ目に願書の記載事項の確認に関する質問をします。ここで意外と「あるあるの話」ですが「自分の願書に何を書いたのか覚えていない人が多い」ことです。願書記載事項を質問すると、そんなことを書いたかな?という顔をする受験者がいます。
出願するときに出して以来、願書を見ていないのだと思いますが、出願動機や大学時代に取り組んできたことなどを質問しますので、必ずコピーを取って手元に保管しておきましょう。
願書記載事項の質問例としては
①「卒業論文のテーマ」についてあなたは現場でどのように生かせると考えていますか。
②これまでの仕事から教員になることについて、過去の仕事のどのような点を生かすことができますか。(民間企業からの転職者向け)
③講師の経験から教師にはどのような資質が求められますか。また、その資質を磨くためにあなたはどのような取り組みをしましたか。(講師経験者向け)
このような質問をします。願書のことについて詳しく説明することができるように準備しておきましょう。
受験者の人間性および教員としての適性に関する質問
3つ目は教員として働くことができるのか人間性や適性に関する内容です。
一番定番の質問であり、練習しておけばそんなに難しくない内容です。
質問例としては
①あなたの性格や人柄のどんな部分が教員に適していると思いますか。
②あなたが担任となった場合、学級経営で心がけたいことはどんなことですか。
③〇〇県の教育の特徴としてどんな点がありますか。
ここで気を付けておきたいのが、教員は地方公務員です。教育方針は自治体によって異なり、独自性を打ち出しています。
③の質問のように、受験する自治体がどのような教育施策を行っているのか、何が魅力で受験したのかを面接官は聞きたがります。これは面接する側も受験目的が本気なのかどうかを確かめるためです。
せっかく合格を出しても辞退が起きてしまっては、後になって採用側が困ります。そこで受験動機、特に「本当にこの受験生はうちの自治体へ来てくれるのか」ということをしっかりチェックしますので覚えておきましょう。特に居住自治体ではなく、遠方や近隣自治体を受けるような場合、面接官側も住所などを見て確認していますので注意です。
面接官として質問してはならないこと
面接官は適当に質問をしているわけではなく、聞いてはいけない質問もあります。例えば受験者の経済状況や信教などについて質問することは適切ではありません。
また尊敬する人物や女性だからという理由で聞くような質問(例えば、女性の先生に対して結婚後に子どもをつくる予定があるか)は不適切な質問になります。
追加質問で深く追求することもある
面接官をしていると深く話を聞きたくなる人がいます。大学時代の研究、他の職業からの転職など、面接官も教員経験者ですから「もっと聞いてみたい話」を持っていると追加質問をします。
したがって受験者は自分が頑張ってきたこと、これまでの経験などを面接のときに話してください。このときに「よく見せよう」と話すのではなく、そこで何を得たのか、得たことをこれからどう生かしていくのかという話に持っていくのが良いです。実は失敗談の方が、面接官的には質問しやすいところがあります。
面接官はここを評価している!合否を分けるポイント
これまでたくさんの人を面接してきましたが、面接官として合否を分けるポイントは
・話を筋道を立てて話すことができる
・1つに固執するのではなく多面的に物事を見ている
・冷静さと余裕を兼ね備えている
この3つだと思います。
どんな仕事に共通している内容かもしれませんが「相手が納得できる、わかりやすいように話をする」これは簡単なことではありません。
しかし、子どもたちに学習を教える、保護者に話をするときに、先ほどのような話し方をすることができなければ伝わりません。
明確に、質問内容に対して端的に回答できる話し方は面接練習で学んでおくべき内容です。
また、多面的な物事の見方も練習しておきましょう。自分の立場で思うことと相手の立場、保護者の立場で思うことは違うことが多いです。
相手の立場に置き換えてどう思うのかという視点の転換も練習しておくとよいでしょう。
面接は人間性が問われる!普段から対策しよう
面接試験を多くの自治体で課しているのは、人間性を確認するためです。学力よりも人物性重視はここ最近の教員採用試験で問われている内容です。面接官は面接室に入る前の段階から受験者を見ています。
話が上手いや下手という表面上に分かること以外に、本気で教員になろうとしているのか、そのためにどんなことをしてきたのかという点を聞き出します。質問をしていると普段の表情がそのまま出てくる人も多く、その表情が教員に向いているのか、向いていないのかを面接官は見ていますよ。
面接室で、皆さんの教育への熱意を聞かせていただけるのを楽しみにしていますね。自信を持って、あなたらしい笑顔で面接に臨んでください!