今の教育現場について考えてみてください。各地で教員不足が訴えられ、年間何千人もの教員が病気を理由に休んでいます。しかし教員採用試験の難易度は依然として高いままです。
そんな教員になるための教員採用試験ですが、面接に不安を抱える人も多いと思います。そして面接官が教員として欲しいと思う人材は、どのような人でしょうか。
今回は教員採用試験の面接を突破するための方法を紹介していきます。
面接前に自分のやってきたことに自信を持つ
まず面接前ですが、とても緊張しますよね。そもそも面接は緊張するものですが、なぜあんなに緊張してしまうのでしょうか。それは、予想していなかった質問をされたらどうしよう、圧迫面接だったらどうしよう、など不安を抱えてしまうからです。これらの不安は、全て自分自身の推測から生まれています。
また、面接官が強面の人なのか、どんな質問をしてくるのか、その日その場所に行かないと誰にも分からないことも考えてしまい、その結果自分で自分を緊張させてしまいます。
自分を緊張の底へ追いやっている人こそが自分自身です。そんな悪循環を生み出してしている人が多いというのが現実です。
もし、自分がそんな悪循環に陥りそうになったら、これまで自分がやってきたことに目を向けてみてください。例えば、面接練習を毎日欠かさず行った、鏡を見て表情のチェックをした、などの面接対策です。
不安になるような推測ではなく、このような自分自身がやってきたことに目を向けていくことで、毎日面接練習をおこなったから、本番でも大丈夫だろう、という前向きな気持ちになることができます。
自分自身のやってきたことに自信を持って堂々と面接に向かってください。
話す内容ではなく話し方や聞き方、視線の配り方が重要
では具体的に面接練習はどのような内容を行うと良いでしょう。なぜ教員を志望したのか、なぜこの地区の教採を受験したのか、自分の長所・短所は何なのか。他にも様々な質問を予測して、スムーズに答えられるように準備をしている人がほとんどでしょう。
しかし、練習が必要なのは1分間の自己PRのみで問題ありません。それ以外の質疑応答に関しては、簡単によく聞かれそうなものを把握しておく程度で十分です。
それよりも重要なことがあります。面接官はあなたの話し方や視線の配り方、話の聞き方などを見ています。では、具体的にどのように話せば良いのか、3つのコツを紹介します。
面接官から目を逸らさない
一つは面接官から目を逸らさないということです。相手と話をしていると、どうしても自分から目を逸らしてしまう人がほとんどですが、質問されている時、自分から相手に語りかけている時、どんな時も面接官から目を離さないことが大切です。
質問に対して話過ぎず、求められた質問に対する答えのみ答える
短い面接時間の中で、全てを伝えたいと思うとどうしても話し過ぎてしまいますよね。しかし、1つ1つの質問にしっかりと答え過ぎてしまうと、面接官からされる質問数自体が少なくなってしまいます。
例えば、教員を志望した理由を聞かれた場合です。
「私が中学生の時に担任を持ってくれた先生が、とても一生懸命に私を支えてくれました。その先生は、一人一人の個性を大切にして、良いところを伸ばし、応援してくれる先生でした。なので、私もそんな先生になって、子どもたちの成長をサポートしていきたいと思い、教員を志望しました。」
と言ってしまったとします。
この場合、よく聞かれる質問である、憧れの先生がどんな人で、いつ出会った人なのか全て答えてくれたので、面接官はこの答えを聞いて、もう満足してしまいます。ではどのように答えるのが良いか、例を一つ挙げてみます。
「私には憧れとしている恩師がいます。そして、その恩師のおかげで今の私がいます。教師は、誰かの人生に深く関わることのできる仕事だと考えています。なので、私も誰かの人生のサポーターになりたいと思い、教員を志しました。」
このように簡潔に答えるのがベストです。
話している内容は、前者と大きく変わりませんが、かなり簡潔にまとめており、志望した理由に対する質問の答えのみの返答です。
そして、このように答えることで面接官は「憧れの先生ってどんな先生だろうか」「どうしてその恩師のおかげと思えるのか」など、さらに質問を投げかけてくれるのです。
そこで初めて、具体的な話をしていきます。理想の面接は、単なる質疑応答ではなく、会話のように進んでいく面接です。自分がどこを聞いて欲しいのか、その聞いて欲しいところに誘導できるような答え方をすれば、面接の流れをつかむことができます。
面接官の相槌にさらに反応し、共感力をアピール
最後に、面接官の相槌にさらに反応することも大切です。質問されたことに対してあなたが話をしている時、面接官が頷いたり、「なるほど」などの相槌をした時には「そうなんです」など反応してみてください。人は誰かから共感されると共感された人に対し、良い印象を持ちます。
面接官の相槌にさらに反応することで、自分の意見を一方的に伝えるだけでなく、共感力があるということもアピールできます。
模擬授業に専門性は必要ない
教員採用試験の受験生の多くが勘違いしていることです。それは専門性の高い模擬授業を見せなければと考えることです。しかしこれは大きな間違いです。
なぜかというと、面接官が自分の専門とする教科の人ではないことがあるからです。それよりも大切なことは、この人は生徒指導ができるのか、授業の最初に目標提示があるのかなど、どの教科を通しても必要となってくるスキルです。どうしても模擬授業となると、一つでも多くのことを伝えたいと、自分の知識を見せびらかせるような形になってしまう傾向があります。しかし専門性は合格してから教師になってどんどん身につけていくことが可能です。そのため面接官は専門性ではなく、模擬授業を通して受験生の人柄や立ち振る舞いを見ているのです。
面接も模擬授業も自分らしさを大切に
面接、模擬授業どちらも相手に主導権を握られるのではなく、自分がその場の空気を支配することが大切なです。面接官は、丸暗記した答えや授業を見たい訳ではなく人間性や人柄を重視しています。
覚えてきたことを、全部伝えなきゃと焦る必要はありません。
何を伝えるかではなくて、自分らしくどのように伝えるのかを考え、実践してみてください。