教員は普段から忙しい職業ですが、3月と4月は更に業務量や行事が多くなる時期です。気持ちよく1年を締めくくり、清々しい気持ちで4月を迎えられるように早めに行動することが大切です。そうは言っても、何からはじめればいいのか思い付かない方やどんなタスクがあるのかイメージできない方も多いかもしれません。当記事では、教員の年度末までにやっておいたほうがいいことをご紹介します。ToDoリストを作成したり、年度末の業務を計画したりするときに参考にしてください。
教員の年度末・年度初めはドタバタ
どんな職業でも決算期や年度末はなにかと忙しいものです。特に教員の年度末・年度初めは、様々な要因でドタバタと過ごすことが多いでしょう。
- 異動があるかもしれない
- 通信表などの評価をしなければいけない
- 最高学年担任の場合、卒業に向けて準備が多い
- 担当する学級や校務分掌が切り替わる
- 会計の締め切りがある
- 会議や打ち合わせが増える
年度末・年度初めにおける忙しさには、上記のような要因が考えられます。いずれも通常の学校生活を送りながらクリアしていかなければいけません。特に異動が重なった年は、新しく赴任する学校との連携も行うためかなり時間が制限されてきます。また、卒業式に係る業務は教員が一度は経験する大仕事です。
しかも、年度末に行う業務のほとんどは子どもや保護者・他の先生方にも大きく係わるため、丁寧で正確に、そして確実に取り組まなければ他人に迷惑をかけてしまいます。業務量や期間を考えると、計画的な行動がとても大切と言えるでしょう。
年度末までにやっておいたほうがいいことは?
毎年のこととはいえ、その時々で環境は変わります。1月中にやらなければいけないことをイメージしておくことで、3月に「やりわすれてた!」を防ぐことができ、計画的にタスクを実行していけるでしょう。そこで、ToDoリストを作成してみてはいかがでしょうか。ToDoリストとは、やらなければいけないことをタスク化→実行していくためのリストです。担当する学校や学年によってタスクが増減する部分もありますが、毎年かわらずにやるべきことも多いです。毎年必ずToDoリストに載せるべき項目6つをご紹介します。
身の回りの整理整頓
担当する学級が変わると、職員室内の席替えが行われます。自分の机周りの整理整頓をしておくことで、スムーズに移動することができます。時間をロスしてしまう理由によくあるのは、パソコンのコードが絡まっていたり、古いプリント類が引き出しの奥から出てきたりすることです。いざ移動するときに、そんなことがあるとちょっと恥ずかしいかもしれないので、早めに整理整頓しておくことをオススメします。
また、受け持ちの教室や下駄箱の掃除も少しずつ行いましょう。普段から掃除していても、よく見ると床や壁は汚れています。一日一か所ずつ掃除することを心がけると、あまり負担にならずに年度末までに綺麗にしておくことができます。
持ち帰りリスト作成
学期末や年度末には、子ども達の持ち帰るものが増えます。特に低学年は、一度に沢山の荷物を持てないため、計画的に少しずつ持ち帰らなくてはいけません。とは言え、まだ授業で使うものもあるでしょう。リストを作成し、いつ持ち帰らせるのかを明確にしておくと、最終日に大変な思いをすることがなくなります。
また、そのリストは学級通信などで保護者にも伝えておくと便利です。「次年度も使うので、メンテナンスをしておいてください」次年度は使わないので、自宅で保管してください」などといったメッセージを付け加えると親切ですね。意外と手間がかかるのが制作物のまとめです。形や大きさが異なる複数の制作物を全員分まとめるのは結構大変な作業になるため、どんな形で持ち帰らせるのがベストなのか、他の教員の意見も参考にしてみてください。
学級通信作成計画を練る
年度末の学級通信は、1年の総括ということもあり書きたいことが盛りだくさんではないでしょうか。連絡事項や子ども達の様子など、保護者も気になることがたくさんあります。予め学級通信の構成をしておくことをオススメします。
3月の学級通信は1枚では足りず、2〜3枚になることもあるかもしれません。
もしくは発行回数を増やして、学級としてのまとめを保護者に伝えられる学級通信作成計画を進めていくことが大切です。
会計関連をまとめる
年度末には学級費などの予算について、会計報告書を作成しなければいけません。会計報告書は、ご家庭から集金した大切な学級費をなにに使ったかを報告するための文書です。これは年度末だけでなく、学期末にも行って計画的に学級費を使用したほうがいいでしょう。というのも、子ども達の学校生活のために学級費を集金しているため、正しく大切に使っていることを保護者に対して明確にしなければいけないからです。また、年度末になってから予算不足や反対に予算を全然使えていないことに気づいてもどうすることもできません。早めに報告書作成に取り掛かり、健全な学級費運用を示しましょう。
通信表のための評価をする
教員の大きな仕事の一つと言えば通信表の作成です。特に年度末は作成する1年を振り返る項目が増えるため、その負担はかなり大きくなります。次の学年に向けて、前向きにステップアップできるような評価をしたいものですが、とにかく忙しい時期に子ども一人ひとりへの評価の言葉を考えるのは大変な作業です。そこで、普段から通信表内の所見欄に記載できるような評価をしておくのはいかがですか。メモ程度でもOKなので、その時に感じた子どもへの言葉を残しておくのです。
例えば、
- Aさん・図工で丁寧な作業を行っていた。
- Bさん・大きな声で発表でき、自信を感じた。
- Cさん・算数の計算を粘り強く最後まで考えた。
など、簡単なキーワードで構いません。
通信表の所見欄に記載する言葉に困ることが結構ありますが、そんなときにこれらのメモを見ることでその子どもに合ったキーワードが思いつくかもしれません。特に、細かいエピソードを具体的に評価したいときに役立ちます。
自身の評価をする
忙しい年度末の時期でも、自分への評価をしておくといいでしょう。教員は目まぐるしく過ぎ去る学校生活の中で、他の先生方や上司から評価されることはあっても、自分自身のことを振り返る時間があまりありません。教員も日々成長していくために、改善すべき点があれば積極的に取り組むべきです。毎年、自身の評価を記録しておくと教員としての成長がわかり、モチベーションアップにつながります。また、反省点を踏まえて自身のレベルアップを図るための心構えもできるでしょう。自己満足の範囲で構いませんので、その年にできたこと・できなかったことなどを記録してみてください。
落ち着いて新年度を迎えよう
3月から4月にかけて春休みがあるからと、そこを目標に頑張る教員も多いと思います。しかし、春休みは短い上に、やることが盛りだくさんで夏休み・冬休みに比べてあっという間に過ぎ去ります。やり残したことに追われてドタバタと4月を迎えてしまうと、新年度に影響する可能性があります。
そして、4月は新しい環境で、教員も子どもも落ち着かない時期です。なるべくクリーンな状態で、きめ細かい対応ができるような環境にしておきたいものです。そこで、行事や業務量が増える3月を乗り切るためには、1月2月の過ごし方を工夫してみてください。見通しをもった計画的な行動が、4月からの新たな生活に関わってきます。毎年変わらずにやるべきことに加え、新しいタスクを増やしながらリスト化し、落ち着いて年度末・新年度を迎えましょう。