コロナだけじゃない!教員が知っておいた方が良い感染対策について

暑い夏が終わり、やっと過ごしやすい季節がきたと喜ぶのもつかの間、11月頃から気温がグッと下がります。寒くなると同時に空気が乾燥しやすくなり、体調を崩す子どもがしばしば出てきます。

近年で感染症と言えば、新型コロナウイルスが注目されがちですが、咳や鼻水のみの症状でも大まかに言えば風邪という名の感染症です。子どもは大人に比べて免疫力が低いため、学校現場では毎年様々な感染症が流行します。集団生活である学校において、感染対策は教員が知っておくべき知識です。

正しい感染対策の知識を身に付けておくことで、子どもたちを守り、流行を防ぐための手助けとなるでしょう。

学校で流行しやすい主な感染症5選

学校で流行しやすい主な感染症は以下の5つです。

  • インフルエンザ
  • 溶連菌感染症
  • 感染性胃腸炎
  • 水痘
  • 新型コロナウイルス感染症

他にも、結核や麻疹、風疹など様々な感染症がありますが、上記は東京都の調査で比較的多い学校感染症です。

参考文献:

平成30年度東京都公立学校における学校感染症による出席停止者の状況.東京都教育委員会.令和元年9月

インフルエンザ

毎年のように流行する感染症です。高熱が出ますが、体内にウイルスが残っていてもワクチン投与によって早期に解熱することもあります。体調が良くなっていても、周囲にうつすことも考えられるため、「発症から5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」出席停止となります。

溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)

のどの痛みや発熱があり、新型コロナウイルスやインフルエンザと症状が似ている部分があるようです。溶連菌感染症は感染力が強いのに、咳や鼻水などの症状が出ないこともあるため、知らないうちに周りにうつしてしまうこともあるので、学校では日々子どもの健康観察を行うことが大切です。

感染性胃腸炎

ウイルスによって流行時期が異なります。そのため、比較的長い間流行の期間があります。嘔吐や下痢を伴う胃腸の風邪であり、もしも学校内で嘔吐した子どもがいた場合には、その処理を速やかに行わなければいけません。迅速に適切な処理をするために、教室に対応セット等を準備しておくとよいでしょう。

水痘(すいとう)

みずぼうそうと呼ばれることもあります。空気感染、飛沫感染、接触感染によって流行し、感染力の強い感染症の一つです。発疹の症状から始まることもあるため、子どもの身体に症状が見られたら注意が必要です。

新型コロナウイルス

昨今では毎日のように耳にする感染症です。様々な症例が挙げられ、その実態は未だに解明されていません。マスクや黙食など、多くの制限がかかっていて、子どもたちにも負担がかかっていることは間違いありません。感染対策の必要性について子どもたちに説明し、学校全体で取り組むことが大切です。

参考文献:学校保健安全法施行規則第19条

すぐ取り入れられる簡単で基本的な感染対策5選

学校は、子どもたちが集団生活を送りながら様々なことを学ぶ貴重な場です。子ども同士や、子どもと教員の関わりは避けては通れません。そのため、学校が感染拡大の場になってしまうことはある意味仕方のないことではあります。しかし、対策をとってなるべく感染を広げないようにすることはできるはずです。養護教諭をはじめ、学校それぞれの方針に従い、教員一人ひとりも感染対策について理解しておくことがマストでしょう。ここからは、簡単に取り入れられる感染対策を紹介します。これが絶対ということではなく、必要に応じて工夫して対応してください。

手洗い

基本的な感染対策ですが、手洗いは正しく行うことで大きな効果を得られます。

そのタイミングとしては以下の5つです。

  • 登校後、教室に入る前
  • トイレの後
  • 咳やくしゃみの後
  • 給食の前後
  • 掃除の後

また、ハンカチの貸し借りをしない約束の上、手洗い後はしっかり水気をふき取ります。使い捨てができるペーパータオル等を準備するといいでしょう。

よく「手洗い・うがい」と言って、セットで扱われがちですが、うがいは吐き出した水の中に感染源となるウイルスが潜む可能性があり、注意が必要です。

換気

「密」という言葉がメジャーになっていますが、これを避けるには換気が大切です。気温や天候によっては難しいこともありますが、常時換気に努めるといいでしょう。夏場や冬場の気温調整にエアコンなどが必要な時期は、子どもたちの服装指導を柔軟に行います。空気を循環させるための換気ですから、効率と効果を上げるために学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルを参考にしてください。

ソーシャルディスタンス

飛沫感染を防ぐために、周りの人と一定の距離を開けることが大切です。子どもたち同士の関わりにおいて、この対策が一番難しいかもしれません。具体的にどのくらいの距離をとるべきなのか、模型などを使って目で見て理解できる説明が必要です。教室内の机の配置を考慮したり、感染拡大の兆候が見えた場合に自宅学習を導入したりと、地域や学校として取り組まなければいけないでしょう。

小声・咳エチケット

特に小学校低学年の子どもたちは小声で発言することが難しいです。なぜ大声はいけないのかを子どもと一緒に考える時間を設けるのはいかがでしょうか。また、咳をするときはマスクや、ハンカチで口を覆い、なるべく人がいない方ですることを指導します。保護者との連携によって、家庭と学校の相互で繰り返し教えていかなければいけません。

健康観察

教員は子どもの健康観察を行いましょう。特に朝の時間に、一人ひとりとしっかり目を合わせ、顔色や体調を伺います。いつもと症状がある場合には、無理をさせず養護教諭と連携をとりましょう。また、教員自身が感染源にならないよう自己の健康管理をすることが大切です。

参考文献:学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル〜「学校の新しい生活様式」~.文部科学省.令和4年4月

なぜ対策が必要なのか子どもに考えさせることが大切

学校では、新型コロナウイルス流行によって様々な感染対策に取り組んでいます。これまでのような密接な関わり方ができず、教員も子どもも心苦しい場面が増えているでしょう。例えば、マスクの着用によって表情が読み取れなかったり、ソーシャルディスタンスによる心の距離ができてしまったりと、思うように周りとのコミュニケーションが取りづらいのです。

なぜマスクをつけなくてはいけないのか、周りと距離を取らなくてはいけないのかを、大人が子どもたちに根気強く説明しなくてはいけません。

子どもたちが感染対策について理解を深めることで、感染してしまった場合の差別や偏見を回避することもできます。さらに、自分が感染対策をすることで周りの人のことも守っていることを知ることができれば、より感染対策の必要性を理解できるでしょう。

また、「生きる力」を育てる学校において、上記で紹介した感染対策の知識は役立ちます。新型コロナウイルスだけでなく様々な感染症は、これまでもこれからも生きていく上でずっと存在するからです。

もちろん教員だけでなく、学校全体、家庭や地域と連携して様々な感染症から子どもたちを守り、学校での感染リスクを少しでも減らしていけるといいですね。

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