気になるトコロ。長期休暇中の教員の仕事とは?

皆さんは「夏休み」や「冬休み」と聞いて、どのようなイメージをお持ちですか?
多くの方は、長期休暇で学校の授業がない日々を想像すると思います。
その中で、よく皆さんが疑問に思われていることがあります。
それは、『学校の先生って授業がない長期休暇中は何をしているの?』ということです。

この記事を読んでいる皆さんの中にも、このように思われている方は、いるのではないでしょうか。
本日は、そのような疑問をお持ちの方に向けて、長期休暇中の教員の仕事内容について簡単にご紹介します。

(1)学校の先生は長期休暇中にどのような仕事をしているの

学校の先生は授業がない長期休暇中はどんな仕事をしているのでしょうか?

答えは、基本的には毎日学校に通勤して仕事をしています。
皆さんの中には、学校で授業がない長期休暇中には、先生も学校に来ることはないのではないかと考える人もいると思います。

しかし、実際には長期休暇中でも、先生は基本的に学校に出勤しなければならない義務があります。

それでは、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか

主な仕事内容は以下の通りです

教員研修や担当教科の仕事

・教員研修への参加

・担当強化の教材研究

生徒の課外活動の運営や補助

・長期休暇中の補習授業

・プール監督

・部活動の引率

学校内や学年内の業務

・日直での電話対応

・学校内や教室の環境整備

・転入生や転校生への対応

・学校行事の準備

・三者面談

大まかな仕事内容を簡単に記載しただけでも、多くの仕事があることが分かるかと思います。

長期休暇中であっても、学校の先生の仕事がなくなることはないのです。
ただし、これだけだと具体的にどんな仕事内容なのか分かりづらいと思います。

そこで、ここからは、それぞれの仕事について簡単にご紹介します。

教員研修や担当教科の仕事

長期休暇中は授業がないので、日ごろできない仕事をする期間でもあります。

その中で最初にするべき仕事は、教員研修への参加と担当教科の仕事です。

・教員研修への参加

授業のない長期休暇中は、学校の先生にとって「学びを得る貴重な時間」でもあります。
そのため、先生方の研修会への参加機会が増えるようです。

この期間には、各自治体や各教育委員会等で行われる、研修会に参加しなければなりません。
この研修は、年次研修や担当教科ごとの研修など、幅広い層を対象に各研修会が行われております。
また、研修によっては事前に課題を出されることがあり、研修前には課題に追われている先生もいるようです。

このような話だけを聞くと、研修ばかりで大変そうに思いますよね。
しかし、実際には授業をしている日々に比べると時間的な余裕が比較的あるようで、むしろ余裕を持って研修に集中して参加できるという意見が多いようです。

・担当教科ごとの仕事

長期休暇中は、休暇明けの授業の準備をする時間でもあります。
具体的には、担当教科の教材研究や学校行事の準備などです。
担当教科の教材研究に関しては、長期的な授業計画や指導案を作成します。

本来、先生方は授業ごとの指導案の作成や、中長期的な授業計画を立てる必要があります。
しかし、先生方は日々の授業が忙しく、このような仕事に時間を割くのは、非常に難しいと言われています。
そこで長期休暇中のまとまった時間で、休暇明けの授業準備(指導案や授業計画など)をまとめて行ってしまうことが多いです。
また自分の授業計画だけでなく、同じ担当教科の先生方と役割分担をして、授業に必要な備品の補充や修繕なども、長期休暇中にまとめて行います。

生徒の課外活動の運営や補助

長期休暇中の「生徒の課外活動の運営や補助」

・プール監督

・長期休暇中の補習授業

・部活動の引率

プール監督や補習授業などは、先生方が交代制で担当することがほとんどのため、先生方の負担感はそこまで多くはないようです。
しかし、プール監督では、小学生の生徒を中心事故がないように注意深く観察する必要があります。

また、受験前のピリピリした生徒に対する補習授業を行わなければいけない場合もあります。
当番制で普段より負担が少ないと言われておりますが、責任のある仕事には変わりありません。

・部活動の引率

所属する学校や担当する学年にもよりますが、長期休暇中は部活動の大きな大会が行われることが多いです。そのため、部活動の担当になった先生方は、必然的に担当部活動の生徒の引率機会が増えます。

さらに顧問をしている部活動が大会を勝ち進み続けると、長期休暇期間の半分以上が、部活動の引率になってしまったというケースもまれに起こります。

その場合には、先ほどの長期休暇中にやるべき仕事に全然取り組めないというケースもありそうですよね。

しかし、実際にそのような場合には、当番制の仕事を考慮して減らしてもらえたり、日直の仕事を他の先生に交代してもらえたりと、様々な配慮をしてもらえる学校もあるようです。

実際にそのケースに当てはまる場合には、一度周囲の先生方の相談してみても良いかもしれません。

学校内の業務

学校内の業務

・日直での電話対応

・転入生や転校生への対応

・学校内や教室の環境整備

・学校行事の準備

これらの仕事に一部ではありますが、これらの仕事も長期休暇中に先生方がやるべき仕事です。

・日直での電話対応

・転入生や転校生への対応

これらの仕事は、当番制や役割分担をしながら各先生方で行うことが多いです。日直の電話対応は、学校の規模次第ですが、長期休暇中(夏休みなど)に約2回程度の当番制の学校が多いです。
また長期休暇明けと言えば、転入生が来るイメージも強いかと思いますが、この時期に多くなる転入生や転校生の対応も行います。

・学校内や教室の環境整備

環境整備って何をするの?と思われる方も多いと思います。簡単に言いますと、教室や学校全体の掃除や備品整理のことです。また学校内に出入りする人が少ない長期休暇期間を利用して、先生方で手分けをして学校全体のワックスがけをする場合もあるようです。ワックスがけになると、教室内の机や椅子を全て外に出したり、床全体を雑巾がけする必要があるなど、非常に負担が大きい仕事ですよね。

・学校行事の準備

学校行事の準備とは、秋に行われる機会の多い運動会や文化祭の準備、来年度の修学旅行の下見などを行うようです。

学校全体の運営方法や学年ごとの出し物の詳細など、先生方で話し合って詳細を決めていきます。特に運動会や文化祭などは、構成やダンス、あらすじに至るまで先生方が、ゼロから決めていく作業です。これは本当に骨が折れる作業なのではないかと思います。

(2)学校の先生は長期休暇中に休みを取れるの

ここまでのご紹介を読んだ皆さんの中には、学校が長期休暇中も、学校の先生はとても忙しいということをご理解いただいたと思います。

このように多くの仕事を抱える先生方は、自分の有給休暇などはあるのでしょうか?
もしくは、先生方はどのタイミングでお休みしているのでしょうか?

このような疑問を持つ方もいると思います。

そこで、ここからは長期休暇中の先生のお休み・有給休暇についてご紹介します。

有給休暇の取得やお休みに関して

学校が長期休暇中にも関わらず、先生は休暇を取ることができないのでしょうか?

答えは、取ることは可能です。

先生方の中には、スケジュールを上手く組み、連休を作るような休暇をとっている方もいるようです。実際に夏休みには、先生方にはそれぞれ5日間の有給休暇が与えられます。
その与えられた有給休暇を、自分の好きなタイミングで取ることができれば、大型連休を作ることも夢ではありません。

しかし、実際に大型連休を実現するには、いくつかのハードルがあります。

どのタイミングで先生方は休暇を取れるの?

先ほど先生方の有給休暇のご紹介をしましたが、有給休暇とは言うものの実際に好きなタイミングで休暇を取ることは、現実的には難しいと思われます。

理由としては

・当番制の仕事のやりくりが難しい

・部活動や生徒課外活動の対応、または研究日程など自分では完全にコントロールできない

・そもそも有給休暇取得推奨日が決まっている

これらのケースが多いと考えられます。
やはり仕事は1人で完結するものではなく、周りの先生方との連携で成り立っている部分は多いです。

その中で、自分だけの都合で周囲のスケジュール大きく変えるのは難しいでしょう。また自分ではコントロールできない仕事(部活動や課外活動対応など)も非常に多いです。

なので、そもそも有給休暇の計画を立てること自体が難しい、という意見もあるようです。

長期休暇中の予期しないタイミングでの有給休暇取得

学校の先生は、自分のタイミングで有給休暇を取得することが難しいだけでなく、

学校からの依頼で有給休暇取得を推奨されるケースもあります。

どんな時に有給休暇取得を推奨されるかと言えば、例えば夏季休暇中の閉庁日です。
皆さんは閉庁日がどんな日なのか、ご存じですか?
閉庁日とは、日直の先生も置かず、学校を完全に閉めてしまう日です。
この閉庁日は、先生方も学校に出勤をしなくて良い日と言われております。

しかし、学校によっては、この閉庁日に合わせて有給休暇を半強制的に取得するよう言われる場合もあるようです。これに関しては、元々学校に来なくてよい日である閉庁日に『なぜ有給休暇をわざわざ取得しないといけないのか?』という先生方の意見も多いようです。

この部分に関しては、他方面から様々な議論がされている現状もございます。
なので、もし赴任した学校で同様の事例があった場合、疑問に思われるようでしたら周囲の先生方と意見交換をするなど、適宜対応していく必要があるかと思います。

(3)学校教員にもある!?長期休暇!!

先述の通り、学校教員には夏休みはほとんどないと言っても過言ではありません。
しかし、学校教員も、生徒と同じ長期休暇を与えられる学校もあります。
ただし、そのような学校は非常に稀です。

近年、『働き方改革』が進んだことにより、業務日数とのバランスを考慮してこのような対応をとる学校もあります。

その期間に海外旅行に行く教員の方も多く、リフレッシュの期間として休暇を満喫されています。

このような対応は、教員にとって非常にありがたいと思います。
ワークライフバランスを考慮した対応が今後、増えていくといいですね。

まとめ

ここまで記事を読んでいかがだったでしょうか?

学校の授業がない長期休暇中に、先生は何をしているのかと疑問に思っていた方も多くいらっしゃいましたよね。
実際には、長期休暇中で授業がなくても、先生方はやるべき仕事がたくさんあり、非常に忙しい毎日を送っています。

しかし、一方で授業がないことで時間的余裕が生まれることも事実です。
ですので、先生方によっては、趣味や自己研鑽、または家族との時間を増やすなど長期休暇中に有意義な時間の使い方をされている方も多くいるようです。

長期休暇中には、与えられた仕事や研修をしっかりと行いつつ、有意義な時間の使い方を意識出来たら一番良いかと思います。

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